新型肺炎、県内も警戒 ホテルや観光施設は消毒徹底

2020年01月24日 08:14

23日から出入り口に置かれた消毒液。中国語などで使用を呼び掛けている=23日午後、高山市上岡本町、飛騨の里

23日から出入り口に置かれた消毒液。中国語などで使用を呼び掛けている=23日午後、高山市上岡本町、飛騨の里

 新型コロナウイルスによる肺炎が拡大する中国で24日、春節(旧正月)に伴う大型連休が始まる。大勢の観光客の訪問が見込まれる岐阜県内の旅館やホテル、観光施設の一部では感染対策を整え、現地に進出する県内企業も従業員らの予防に気を配る。

 県内に宿泊する外国人(延べ数)は2018年、過去最高の148万人を記録した。国・地域別では中国が最も多い40万人を占め、17年比2・5倍とひときわ存在感を増している。

 大垣市の大垣フォーラムホテルは、今年の春節の中国人客は宿泊客全体の約2割を占める。10~30人の団体客が多いが、既に数件のキャンセルがあり、「団体の取りやめはきつい」と担当者。清掃スタッフには部屋のドアノブなどを入念に消毒するように求め、チェックイン時に宿泊客に体調を確認することも決めた。

 高山市の野外博物館「飛騨の里」では23日から出入り口に消毒液を置き、中国語などで使用を呼び掛けた。同市のひだホテルプラザでは、既にインフルエンザやノロウイルスの予防策を整えているが、井ノ下雄志社長は「従業員のうがいや手洗いを徹底させる」と気を引き締める。一方で、フロントスタッフらのマスクの着用は「おもてなし」の観点で失礼になると考えて控えるという。

 下呂市の下呂温泉も書き入れ時だ。下呂温泉旅館協同組合によると、宿泊のキャンセルはなく、影響は出ていないという。市観光課の担当者も「情報収集しつつ、推移を見守りたい」と話す。多くの宿泊、観光施設ではインフルエンザ対策で消毒薬を備えており、新型コロナウイルスの感染予防にも活用する予定だ。

 中国に拠点を置く企業も対応を進める。自動車部品メーカーの丸順(大垣市)では、武漢市の子会社に駐在する社員が連休を利用して帰国予定だったが、現地にとどまるように指示した。約600人の中国人従業員には連休中もマスクの着用などを徹底するように呼び掛けた。連休後の工場の稼働は2月2日に計画するが、同社幹部は「(現地の)主要顧客の動向次第では稼働日の延期も検討するかもしれない」と気をもむ。

 自動車部品メーカーの太平洋工業(同)は、中国の子会社4社の駐在員や従業員約600人に武漢市やその周辺に帰省などの予定があるか、事前に把握した。他にも中国への出張を見合わせたり、現地の社員に人混みを避けるように注意を促したりする企業もあり、警戒感が広がっている。


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