新型肺炎、中国人客減 宿泊施設キャンセル次々

2020年01月28日 07:45

古い町並みを歩く外国人旅行客。県内の観光地では新型肺炎の影響の長期化を懸念する声が上がる=27日午前10時35分、高山市上三之町

古い町並みを歩く外国人旅行客。県内の観光地では新型肺炎の影響の長期化を懸念する声が上がる=27日午前10時35分、高山市上三之町

 新型コロナウイルスによる肺炎拡大で、中国が海外への団体旅行を禁止した27日、岐阜県内の宿泊施設では予約のキャンセルが出るなど影響が広がった。ただ、県内のインバウンド(訪日外国人旅行客)に占める中国人の割合は高くはないため、県経済に大きなダメージはないとみられるが、県の観光担当者は「長引くほど深刻になるだろう」と話し、県内の観光地でも懸念の声が上がっている。

 下呂市の下呂温泉では、ここ数日で宿泊施設の予約取り消しが相次いでいる。下呂温泉旅館協同組合によると、40施設で1月が計1100人、2月も計1700人のキャンセルが出た。中国人宿泊客が多い時期だけに、市観光課では「来週ごろからさらに影響が出てくるだろう」と懸念する。

 岐阜市の都ホテル岐阜長良川も外国人宿泊客が多く、うち半数を中国人が占める。中国の海外団体旅行の禁止が報じられた25日以降、キャンセルが増えた。担当者は「春節(旧正月)は例年、中国人宿泊客が3割ほど増えるが、今回は普段よりも減っている」と話す。また、大垣市のクインテッサホテル大垣も中国人が宿泊客の3割を占め、多くが団体客。キャンセルが相次ぐのは必至で、担当者は「一日も早い終息を願うばかり」と話した。

 県内有数の観光地である高山市。飛騨高山旅館ホテル協同組合によると、27日昼までに把握した中国からの宿泊キャンセルは6施設で計300人ほど。同市の外国人宿泊者数は年間約55万2千人で、中国本土からの観光客は約1割。組合では「大きな影響はないが、団体旅行の停止が続くのはよくない」と問題の長期化を警戒する。

 十六総合研究所リサーチ部の松永祥吾主任研究員は「欧米からの観光客も多く、中国人観光客の減少による県内の影響は限定的とみている。ただ、一部宿泊施設で大口キャンセルも出ており、長期化すれば、観光需要の冷え込みも懸念される」と分析する。


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