土岐氏の大桑城に攻め入り、周辺の山焼く 古文書に道三の下克上

2020年02月02日 08:31

土岐氏と斎藤道三の戦いなどを記した古文書(十五社神社提供)

土岐氏と斎藤道三の戦いなどを記した古文書(十五社神社提供)

 岐阜県山県市大桑(おおが)の十五社神社が所蔵する古文書に、美濃国守護だった土岐氏と勢力を増していた戦国武将斎藤道三が、1547(天文16)年に戦った時の様子が詳しく記されていることが分かった。斎藤軍が同市大桑にある土岐氏の居城大桑城に攻め入り、周辺の山を焼いたことなどが書かれており、調査に協力した地方史研究家の西村覺良(かくりょう)さん(76)=同市大桑=は「天文16年には土岐氏がかなり劣勢になっていたことの裏付けになる」と話す。

 古文書は、十五社神社の宮司を務める加藤家の家系図や神職としての記録などを江戸後期の弘化年間に記した7枚のうちの一部。裏表の両面記述で、戦いの様子は3面分に残る。

 「天文16年11月22日より23日、岐阜城より斎藤軍が大桑城を攻め、山を続きに焼き払い、人家焼かれるも防ぐ者なく」といった内容の記述のほか、道三の娘で後に織田信長の正妻となる帰蝶(濃姫)が最初に嫁いだともいわれる土岐頼純(よりずみ)が、同年11月17日に死去したことも記されている。城攻めの火が山に延焼して、同月24日に十五社神社の社殿が消失したことも分かる。この時、大桑城主は記述されていないが、西村さんは「頼純の後は土岐頼芸(よりのり)で、落城の際、美濃国外へ逃げた」とする。

 十五社神社本殿が昨年、県重要文化財(建造物)に指定され、今年の大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」で土岐氏と道三が登場することから、神社と大桑城のPRのため神社の禰宜(ねぎ)で市議の加藤裕章さん(46)が古文書の解読を専門家に依頼した。

 ドラマの主人公、明智光秀は土岐氏の分家の出生ともいわれる。大桑城跡から直線距離で約5キロ離れた同市中洞には光秀の墓と伝わる桔梗(ききょう)塚など、市内には出生や晩年にまつわる伝承が残る。


カテゴリ: くらし・文化 社会