マスク着用増加、ホテルで検温 感染警戒強める

2020年02月09日 08:21

  • 改札前に掲示された新型コロナウイルスへの注意喚起のチラシ=8日午後2時25分、岐阜市神田町、名鉄岐阜駅 
  • 古い町並みを訪れた観光客。マスクを着けた人の姿が目立った=8日午後0時50分、高山市上三之町 

 中国で新型コロナウイルス感染の可能性が高い日本人男性が死亡し、クルーズ船の集団感染などで国内でも感染者が増える中、岐阜県内では警戒感がさらに強まっている。県内で感染者はまだ確認されていないが、人が密集しやすく長時間一緒にいることの多い公共交通機関をはじめ、不特定多数の人が行き来する観光地や商業施設などでは従業員らのマスク着用が進み、感染予防対策が強化されている。

 高山市の名所「古い町並み」では8日も国内外の観光客が多く訪れていたが、以前よりもマスク姿の人が目立った。土産物店の女性は「観光客が少しは減っているかもしれないが、実感はない」と話し、忙しそうに対応していた。

 岐阜市神田町の名鉄岐阜駅では、海外旅行で中部国際空港駅まで向かうという市内の公務員女性(67)が「本当は乗りたくないけど、交通手段がないので仕方がない」と不安げ。「車内で着けるマスクと携帯用のアルコール消毒液を持参した」と話した。改札近くには名古屋鉄道が新型コロナウイルスへの注意を呼び掛ける日本語と中国語のチラシを掲示し、感染予防のための係員のマスク着用に理解を求めるチラシも併せて掲げた。

 岐阜乗合自動車(岐阜バス、同市九重町)は路線、高速、貸切バスの全ての運転手とガイドにマスクの着用義務を広げ、バス車内に消臭除菌水を設置した。日本タクシー(同市鶴田町)は乗務員へのマスク配布に加え、車両の除菌作業も進めている。

 バレンタイン商戦でにぎわう岐阜高島屋(同市日ノ出町)では、総合案内で接客する従業員にマスクを必ず着用させるようにした。化粧品コーナーでは、スキンケアなどでスタッフが客の顔に触るのを見合わせるメーカーもあるという。

 大垣市内のホテルでは、宿泊客のチェックイン時に検温への協力とせきなどの症状、中国・武漢市への渡航歴の有無などを尋ねるチェックシートへの記入をお願いしている。万が一の事態に備えた対応という。

 国内での中国人観光客の発症を受け、外国人客の多い観光地が敬遠されることを懸念する声も聞かれる。飛騨高山旅館ホテル協同組合によると、加盟施設の1月29日から今月8日までの宿泊キャンセルは約2800人(国内外客の合計)。春節の時期よりも増加傾向にあるが、中国本土からの宿泊客の割合は高山市の宿泊客全体の約2%で、直接の影響は限定的とみる。だが、市内のホテル関係者は「風評で旅行を控える人が増えないか心配」と話した。


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