岐阜市民は現状に満足?/地方都市の個性が大切 記者座談会

2020年02月11日 13:40

人口減少が深刻化する中、活性化に期待がかかる岐阜市中心市街地=昨年11月(本社契約ヘリから)

人口減少が深刻化する中、活性化に期待がかかる岐阜市中心市街地=昨年11月(本社契約ヘリから)

〈岐阜市まちづくりの針路(4)〉

◆県都の未来図どう描く

 岐阜市の柴橋正直市長(40)が就任から2年を迎えるのを機に、県都のまちづくりを検証した連載企画「岐阜市 まちづくりの針路」では、市役所の移転に伴う現庁舎跡地の活用策や柳ケ瀬商店街の活性化などについて課題を探った。取材を担当した若手記者とデスクの4人が岐阜市の針路について議論した。

◆現庁舎跡地の議論低調 大学誘致、活力呼び込め

  柴橋市長は就任時から「都市基盤整備」「こどもファースト」などの五つを「岐阜を動かす」政策の柱に据えてきた。だが「動いた」という印象はあまり感じられない。有権者はどう受け止めているだろうか。

  変化を実感できる施策や、若さを前面に出した発信力に期待する声も聞く。

  2年で結果を求めるのは酷だ。将来に向けて地ならしを進め、施策の種をまく時間はあったはず。今後の成果に注目したい。

  人口減少に歯止めがかからない。定住、交流人口の増加、雇用拡大など全方位で施策を推進しているが、人口減対策は一筋縄ではいかない。若年層の名古屋への転出は顕著で、活力の低下が心配される。

  細江茂光前市長は、「名古屋で働く人が住むことはよい」とベッドタウン化を見据えたまちづくりを進めた。「県都がベッドタウンではさみしい」と異を唱える人もいたが、個人的には賛成だ。

  名古屋も2027年開業予定のリニア中央新幹線によって東京のベッドタウンになる可能性がある。岐阜市は、地方都市としての個性をいかに出すか。

  都市機能も自然もあり、便利過ぎることが逆に停滞につながっているという見方もある。市民は現状に満足しており、まちづくりへの意欲が低下しているのではないか。「ゆでガエル」現象になるのが怖い。意識の転換も必要だ。

  中心市街地では市庁舎移転後の現庁舎跡地の活用策を巡る議論が低調だ。柴橋市長は「先送りしない」と述べたが、具体的なビジョンが見えてこない。

  現本庁舎の解体が終わると見込まれる23年度まで時間はあるが、飲食店や商店などへの経済的な影響を考えれば、早急に青写真を示すべきだ。

  柳ケ瀬に目を向けると、入り込み客数が減少するなど厳しい状況が続く。市は「民間主導」が望ましいとしているが、行政の支援は不要だろうか。

  柴橋市長は民間との連携で遊休不動産の活用と出店者誘致を図る「リノベーションスクール」事業に力を入れている。当事者意識を持ってまちづくりに取り組む若い人材を育成するのが狙いだ。視点は面白い。そこで、もう一つ提案したいのは大学誘致だ。若年層の呼び込みにつながり活力が生まれる。

  柳ケ瀬にどんな姿を求めるのかが問題だ。住む人が増えることなのか、商店街がにぎわうことなのか。「動かす」には、市民と危機感の共有、挑戦者の意欲を摘まない気風、闊達(かったつ)な議論が必要だ。

◆商店街と行政が団結/中心部に無料駐車場 市民、願い続々

 岐阜市の現庁舎跡地利用や柳ケ瀬商店街の活性化について、「あなた発!トクダネ取材班」には、名古屋市を意識して政策に独自色を求める声や、気軽に買い物できるよう市中心部に無料の駐車場を増やすといった提言が寄せられた。

 市庁舎の跡地利用を巡り、岐阜市長良地区の無職(76)は「必要なのは単なる施設ではなく、みんなが集まれる空間」と指摘。「多様な世代が交流して楽しみ、時に助け合える場が必要」と寄せた。市内の50代男性は「名古屋に負けないよう、JR岐阜駅前から柳ケ瀬、新庁舎を含めた地域の連携を図ってほしい」と期待した。

 柳ケ瀬商店街の活性化策では、同市正木の会社員(41)は「若い人が一日中過ごせる遊び場所がもっとあっていいのでは。雇用の場も増えるといい」と述べ、空き店舗の利活用を望んだ。同市野一色の50代男性公務員は「商店街と行政が団結しなければ打開策は見いだせない。アーケードがあって雨天でもイベントが開ける強みを、これからさらに生かしてほしい」と願った。


カテゴリ: 政治・行政 社会