空き家+田畑+山林→14万円!東白川村が販売

2020年02月12日 07:42

ブルーベリー畑などもセットになっている寄付物件の古民家=加茂郡東白川村越原

ブルーベリー畑などもセットになっている寄付物件の古民家=加茂郡東白川村越原

 大正時代に建てられた古民家が田んぼやブルーベリー畑、山林も合わせて売り出し価格14万円―。岐阜県加茂郡東白川村が、土地付きの空き家の寄付を受け付け、売り主となって移住希望者に販売するリユース事業に乗り出した。リーズナブルな物件の情報を1月下旬から、村の公式サイト内の「空き家バンク」で紹介している。寄付によって調達コストをなくすことで低価格を実現。自治体の信用力と低価格で空き家の利活用を促し、移住定住につなげる狙いだ。

 人口約2200人の東白川村は茶畑や清流のある山村で、「日本で最も美しい村連合」にも加盟している。村によると、人口減少が進んでいるが、名古屋大の簡易人口推計ツールによるシミュレーションでは、親子3人世帯が毎年12組移住すれば15年後に人口増加に転じるという。村は、移住希望者に利用してもらう空き家の活用が進んでいない現状を踏まえ、空き家の流動化を移住定住策の柱に据え、毎月1世帯の移住を目標に、将来の人口増加を目指して取り組んでいる。

 村の2017年調査では村内の空き家は145戸あり、今後30年間で約360戸に増える見込み。一方、村には年間約40件の移住相談があるが、空き家バンクへの登録は年間3件ほどにとどまっている。

 空き家の利活用が進まない理由として所有者に古里とのつながりである空き家を売ることへの抵抗感があることなどが考えられるため、村は、地域貢献につながる寄付であれば所有者に受け入れられやすいとみて、昨年7月から移住者に販売するための物件の寄付の受け付けを始めた。自治体が空き家の売り主となる類を見ない取り組みだ。

 さらに空き家整理で出る家具や食器などの処分費用は村が引き受け、整理や清掃などは村職員らが実施。使える家財道具は旧東白川中学校越原分校の廃校舎に集め、空き家購入者が希望すれば無料で提供するサービスも行い、処分費用の抑制にもつなげている。

 所有者が寄付でなく物件の売買を希望する場合は、物件は買い取らないが家財道具の処分費用は村が負担し、空き家バンクに登録し、空き家の流動化を図っている。こうして空き家を掘り起こし、これまでに寄付9件、売却8件の申し出があった。清掃などが終わった3件が新事業によって空き家バンクに追加され、1月下旬に公開された。順次整理を進め、今後も月1件の登録が見込む。

 田畑や山林を含めて14万円の大正時代の古民家は寄付物件の第1号。他に、土蔵やガレージ、段々畑、山林が付いた古民家が350万円で売り出されている。

 村の桂川憲生地域振興課長は「村民らの理解を得て空き家を掘り起こしたい。移住希望者には現地で見て確かめてほしい」と話している。


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