アパレル企業打撃 新型肺炎で中国工場の生産停滞

2020年02月22日 08:49

 新型コロナウイルスによる肺炎の拡大で、中国に進出する岐阜県内のアパレル企業にも影響が出ている。現地の従業員不足や物流の停滞で、フル生産できない状態が続く。アパレル業界は暖冬で冬物の売り上げが伸びず、頼みのインバウンド(訪日外国人)の消費も新型コロナで期待外れに終わった。終息が長引けば、業績に与える影響はさらに広がりそうだ。

 浙江省の工場でスラックスやデニムを生産する水甚(岐阜市)は、現地の従業員が半数しか出勤できず、稼働率が50%程度にとどまっている。日本人駐在員が検品作業を担当していたが、すでに帰国させており、検品にも遅れが出ている。協力工場も11社が工場を稼働していないため、生産への影響が大きくなっているという。

 江蘇省などでパジャマやルームウエアを生産するウエッジ(羽島市)は、春節(旧正月)明けの工場稼働が当初予定より約2週間遅れた。従業員用のマスクを現地に送るなどして現地当局からようやく再開の許可を得た。物流や検品作業が停滞し、夏物の納品は遅れているが、担当者は「どこも同じ状況で、今は取引先も理解してくれる」と話す。

 中国製の原材料を使うアパレル企業にも影響が出ている。染色加工の岐セン(瑞穂市)は、中国で生産する染色の原料が手に入らず、当面は在庫で対応する。担当者は「3カ月分の在庫はあるが、長期化すると支障が出る」と警戒感を募らせる。

 日本貿易振興機構岐阜貿易情報センター(ジェトロ岐阜)の2017年度調査報告書によると、県内企業が設立した海外法人のうち中国の現地法人は172社で、全体の45・3%を占める。近年は賃金上昇で中国以外に生産拠点を移す企業も増えているが、アパレルは中国の現地法人が全体の68・2%で、他業種に比べて高い比率となっている。


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