トイレットペーパー売り切れ続発 「原材料不足」はデマ

2020年03月01日 08:18

トイレットペーパーが売り切れたドラッグストア=29日午前、県内(読者提供)

トイレットペーパーが売り切れたドラッグストア=29日午前、県内(読者提供)

 新型コロナウイルスに関するデマにより、県内のドラッグストアやスーパーなどでトイレットペーパーの売り切れが続発している。会員制交流サイト(SNS)で広がる原材料不足などのうわさが原因とみられるが、業界団体は「全くのデマ」と否定する。店頭での品薄は一時的なものといい、店側は「落ち着いた対応を」と呼び掛けている。

 無料通信アプリLINE(ライン)で読者とつながる岐阜新聞「あなた発!トクダネ取材班」には28日午後以降「トイレットペーパーが売り切れている」といった情報が寄せられ始め、西日本新聞など本紙のパートナー社でも、同様のメッセージが集まっている。

 ドラッグストアの陳列棚からトイレットペーパーがなくなっている様子を、写真とともに投稿した本巣市の男性(51)は「ないと困ると思い、焦った」。近場のドラッグストアを5店訪ね、1人二つまでのトイレットペーパーや箱ティッシュを買い回った。「5人家族なので、そんなには持たない。備蓄の必要を痛感した」と話した。

 品薄は「マスクの材料に紙が回されて不足する」、「中国から原材料を輸入できなくなる」といったうわさが原因とみられる。静岡県の製紙会社によると、マスクは一般的に繊維を重ね合わせた「不織布」から製造する。「トイレットペーパーは再生紙(パルプ)から作られており、マスクとは無関係」という。

 紙製品メーカーの業界団体・日本家庭紙工業会(東京都)は「中国の影響で品薄というのは全くのデマ」と断言した。日本で流通するトイレットペーパーの98%は国内生産で、原材料も国産という。「メーカーや卸元に在庫はふんだんにあり、デマで配送が追いつかず一時的に棚から商品が消えている状態。待てば必ず商品は入荷するので、落ち着いて対応してほしい」と強調した。

 安八郡神戸町のドラッグストアではトイレットペーパーが普段の約20倍の売れ行きに。28日は開店直後から徐々に買い求める客が増え始め、正午には売り切れた。問い合わせも相次ぎ、すぐに追加分を発注。29日午後5時ごろには再度、陳列棚に並んだ。男性店長は「在庫は十分にある。物流が止まらない限り常に供給されるので、過剰に買うことなく安心してほしい」と話した。キッチンペーパーも一時品薄になったが「こちらも在庫は十分。デマに惑わされず、落ち着いて」と呼び掛けた。

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カテゴリ: くらし・文化 新型コロナウイルス 社会