岐阜市に流行届けた「ブルドンネ」老舗カフェレストラン45年で幕

2020年04月08日 08:57

  • ブルドンネの外観。桜などの花々が最後の営業を彩った=岐阜市上材木町 
  • 最後のランチは和風ハンバーグ。手の込んだ一皿一皿が多くの人々に愛された 
  • 「45年間店を続けてこれたのは常連の皆様のおかげ」と感謝する大野真範店長 

 岐阜市で45年間、カフェレストランを営んできた老舗店「ブルドンネ」が7日閉店した。当初閉店は24日の予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で、外出自粛や感染リスクの回避が声高に叫ばれる中、「店を愛してくださった常連客を感染から守るため」と、閉店を17日間前倒しする苦渋の決断をした。

 ブルドンネは、同市在住の小森治子さんが28歳の時、柳ケ瀬の一角、同市日ノ出町で1975年8月に創業した。アンティーク調の格式高い雰囲気が魅力のカフェで、ピザやグラタンなど都会でしか食べられない洋食メニューに加え、カッターシャツに黒色のちょうネクタイ、丈の長い黒のソムリエエプロンに統一した男性給仕のコスチュームが目新しく注目を集めた。

 小森さんは、神戸市に戦後開業した老舗喫茶店に足しげく通い、店づくりの参考にしていたという。円筒形のパン生地を器にしたエビとマカロニのグラタン「パリング」は創業当時からある看板メニューで、神戸での流行をいち早く取り入れた。

 現在の岐阜市上材木町の店は77年3月に長良店としてオープン。創業地の柳ケ瀬店の精神を受け継いだ。午前中は、コーヒーなどの飲み物代だけでサラダやヨーグルト、トーストが付いたモーニングサービスを実施してご当地の喫茶文化を取り入れ、ランチやディナーは懐石料理のように一品ずつ専用の器に盛り付けて提供。女性客に人気があり、ランチは毎日100食を販売した。

 出入り口と店内には天井に届くほどの生け花の大作を飾り、テーブルにはしわ一つ無い布のテーブルクロス、絵付けを施した豪華な洋食器に盛られた料理と、昭和レトロな空間を演出して客をもてなした。

 閉店は、後継者がいないため1年前に決断し、今年3月初旬に4月24日で閉店する張り紙を店内に掲示したところ、常連客が昼夜問わず詰め掛けるように。7日も開店時から別れを惜しむ客が数多く来店した。最後のランチ、和風ハンバーグを味わった瑞穂市の女性(72)は若い頃によく来たといい「お料理も使う食器も素敵。久しぶりに来たら閉店と聞いて寂しい」と話した。

 小森さんは「45年間、お客様に支えられて続けることができた」と張り紙で感謝を伝えた。


カテゴリ: くらし・文化 社会