今こそ悩み聞きたいけど...電話相談、苦渋の活動停止

2020年05月11日 07:58

電話相談休止を知らせる岐阜いのちの電話のホームページ

電話相談休止を知らせる岐阜いのちの電話のホームページ

 悩みを抱える大人や子どもたちのセーフティーネットとなっているさまざまな電話相談窓口。長年活動に取り組む岐阜県内の団体の中には、新型コロナウイルス感染拡大の影響で活動を停止している団体もある。相談員は社会不安が大きい状況の今こそ対応したいという思いがあるが、感染への不安も大きく、現在は早期再開に向けて環境を整えている。

▼密室状態に

 自殺防止の活動を続ける「岐阜いのちの電話協会」(杉田憲夫会長)は年間約5千件、月に400~500件の電話に対応するが、先月11日から電話業務を休止している。岩見三七夫事務局長は「相談員とその家族から新型コロナウイルス感染への不安の声が多く挙がり、相談員らの安全確保のために決めた」と理由を話す。

 相談員は休会中の会員を含めて県内外の60人が登録。6畳より狭い1部屋で、電話2台で2~3人が交代で相談業務に当たっており、密室状態になるのが課題だった。現在は相談員1人が1部屋を確保できるよう準備している。岩見事務局長は「こういう時期こそ、対応せねばという声も相談員からたくさんあった。安全確保ができたら、早期に再開したい」と話した。電話相談休止中もメールでの相談は受け付けている。

▼生活の乱れ

 18歳までの子どもたちの相談を聞く活動に取り組むNPO法人「チャイルドラインぎふ」(岡和代代表)も、先月16日から相談業務を中止した。チャイルドラインは全国統一のフリーダイヤル。同団体は週1回活動し、県内からの電話は優先的に振り分けられる。相談員は部屋で数人が集まって電話を受ける。また遠方から公共交通機関を使って通う相談員もいるため、感染の不安の声があった。今後は一度に集まる相談員の数を減らして対応し、15日からの再開を予定している。

 岡代表は「新型コロナは大人にとってもつらいが、子どもにとっても負担が大きい」と話す。学校の勉強の遅れやゲーム漬けの生活で昼夜逆転するなど、生活の乱れなども起きやすいと指摘する。また、夏休み明けに子どもの自殺が多くなる傾向があるため、今回の新型コロナに伴う休校明けにも危機感を募らせており、「早く活動を再開して、子どもたちの思いを受け止めたいと思っている」と話した。


カテゴリ: くらし・文化 新型コロナウイルス 社会