名和昆虫館再開 「世界の蝶」コーナー拡充へ準備

2020年05月17日 08:21

展示のリニューアルについて話をする名和哲夫館長(左)と研究員の松尾登貴雄さん=岐阜市大宮町、名和昆虫博物館

展示のリニューアルについて話をする名和哲夫館長(左)と研究員の松尾登貴雄さん=岐阜市大宮町、名和昆虫博物館

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除され、岐阜県内でも文化施設が再開しつつある。昨年開館100周年を迎えた私設の博物館「名和昆虫博物館」(岐阜市大宮町)も17日から再開する。4月から1カ月以上休館した影響は大きいが、名和哲夫館長(65)は「夏前に再開できれば御の字と思っていたので、ひとまず安心」と話し、展示のリニューアルに向けて準備を進めている。

 同館は1万2千種類以上の国内外の昆虫標本を所蔵する国内でも有数の博物館。年間約2万3千人が来館する。春から夏は昆虫観察の最盛期で来館者も増えるが、4月10日からの臨時休館で1カ月以上、収入の柱となる入館料はゼロに。書き入れ時の大型連休も直撃した。昆虫観察会も全て中止になった。名和館長は「私設の博物館で入館料ゼロは厳しい。もっと続くようなら、運営方法を根本から見直さねばと思った」と語る。

 これまでもさまざまな危機に直面してきた。開館したのはスペイン風邪が流行した翌年の1919年。また、太平洋戦争中も存続の危機に陥ったという。長年研究員を務める松尾登貴雄さん(68)は「順風満帆な時代は一度もなかった。よく100年続けられたと思う」と話す。名和館長も「歴代館長が、時代に合わせて新たな活路を見い出してきて今がある」と感慨を込める。

 現在は博物館2階の「美を競う世界の蝶」のコーナーの拡充に向けて準備を進め、夏には整う予定だ。名和館長は「私たちの使命は虫好きの興味をつなぎ止めていくこと。今後も先行きは不透明だが、でき得る策を打っていきたい」と話した。


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