分散登校、多い課題 3密回避/低学年の安全不安

2020年05月18日 07:45

  • スクールバス増便を決定した竹原小学校。感染症対策がストレスにつながるのではと心配する遠山俊彦教頭=下呂市宮地、同校 
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 新型コロナウイルスの影響で休校していた岐阜県内の公立学校が6月1日から再開されるのに伴い、感染防止策として再開後に2週間程度、実施される「分散登校」。学校に通う時の人数や授業時間を減らすことで感染リスクを抑えるための新しい方法だが、どのようにして行われるのか。「3密」の回避など学校現場が対策に頭を悩ませる中、低学年の児童の保護者らからは「安全に登校できるの?」といった不安の声も上がる。

◆学校は対策徹底、保護者負担も考慮

 県教育委員会が15日に示した「学校再開ガイドライン」によると、分散登校とは、子どもたちを複数のグループに分けた上で、それぞれが限られた日時に登校する方法のこと。「3密」を避けながら段階的に活動を再開し、教育を等しく受けられるようにする。

 具体的な方法はこうだ。▽1学級を二つに分ける▽学年ごとに登校▽地域(登校班)ごとに分ける-。県教委はこうした例を挙げ、登校しての授業(対面授業)と家庭学習(復習)とがつながるよう工夫することや、マスクを必ず着用し、友達と向かい合ったり話をしたりしないで登校させるよう求めている。一方、地域ごとに適切な方法を検討することも促す。

 児童約800人が通う大規模校の市橋小学校(岐阜市)は、登校班で分ける方法を取る。中田雅章校長は「地区で振り分けることで兄弟姉妹の登校の時間差をなくせる。保護者の負担に配慮した」と話す。教室では午前と午後で児童が使う机や椅子を分けるなど、対策を徹底する構えだ。

◆「会話控えて」「距離保って」ストレス懸念

 一方、通学距離が長く全児童の7割がスクールバスを利用する竹原小学校(下呂市)は、3台のうち約40人が乗車する1台については車内の過密を防ぐために増便を決めた。会話をできるだけ控え、席の間隔を空けて座るといった対策が図られるが、懸念も残る。

 遠山俊彦教頭は「徹底した感染対策がストレスになり、学校に足が向かなくならないようにしなければ」と頭を悩ませる。「子どもたちの心のケアが必要になるだろう。ふっと笑える教材や心を解放できる活動を取り入れ、学校は楽しいという思いを抱かせてあげたい」と話し、保護者の送迎も認める方針という。

 学校再開を巡って、無料通信アプリLINE(ライン)で読者とつながる「岐阜新聞 あなた発!トクダネ取材班」にも登下校に関する不安の声が集まる。小学1年の子を持つ多治見市の主婦(36)は「(子どもは)まだ一度も通学路を歩いたことがなく、登校班のメンバーと顔合わせもしていない」。距離を保っての登校について「低学年はただでさえ不慣れで、その上ソーシャルディスタンスを理解させるのは難しいだろう。安全面が気掛かり」と心配する。

 県教委はガイドラインで「子ども一人一人の状況に丁寧に寄り添い、きめ細かに対応する必要がある」としている。


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