下呂市営施設で不明金 2000万円、会計担当姿消す

2020年05月18日 07:00

使途不明金が発覚し、謝罪する山内登下呂市長(左)ら=17日午後5時32分、下呂市役所

使途不明金が発覚し、謝罪する山内登下呂市長(左)ら=17日午後5時32分、下呂市役所

 岐阜県下呂市は17日、同市森の市営観光施設「下呂温泉合掌村」で、約2千万円の使途不明金があった、と発表した。市によると3月まで会計を担当していた男性課長補佐(52)が、架空の支払い先に振り込んだとみられる。課長補佐は16日に市が事情聴取した後に行方不明になっており、市と家族が下呂署に捜索願を出した。

 同市によると、2019年度の決算処理事務の最中に不審な点が見つかり、関係書類を調べたところ、課長補佐が市の「例月出納検査」に提出した合掌村の普通預金通帳の写しに記載されていた残高より、本来の通帳の残高が少ないことが14日に判明。さらに、外部に支払われたことになっていた金額と、実際に支払われた金額の差が、およそ2千万円に上ることが分かった。

 同施設については、課長補佐が振込先や金額を指示し市の会計課が振り込みを行っていた。毎月の会計の検査では、会計課で保管する通帳の写しが同施設に渡されており、この写しの数字を改ざんしたとみられる。市によると、毎月1、2回、ビデオ作成やかやぶき屋根修理などの名目で、実際に行われていない工事や事業の代金が架空の業者に支払われていた。支払いは19年度だけで21回に及ぶという。

 課長補佐は4月の定期異動まで合掌村に配属され、現在は市長公室企画課に配属。市は16日午前、聞き取りを行い、課長補佐は架空の支払い先への振り込みを認めた。振込先や使い道など詳しい状況が分かるものについて「家にある」と話し、上司は同施設に持ってくるよう指示したが、同日午後4時ごろの電話を最後に連絡が取れなくなり、夜に同署に捜索願を出した。

 市では今後、18年度以前にも不正がないかを調べ、全容解明を進めるとともに刑事告発なども検討する。また、会計課でチェックできなかった制度面の不備などについても調べる。

 山内登市長は17日、市役所で記者会見し「市政に対する信頼を損なうもので、市民におわび申し上げる。内部統制強化と再発防止を図り、信頼回復に全力で取り組む」と謝罪した。

 同施設は1963年に飛騨郷土館として開館し、年間約20万人が来場。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、31日までの予定で休業している。


カテゴリ: 政治・行政 社会