夢奪われた球児「悔しい」 甲子園中止

2020年05月21日 07:49

夏の甲子園の中止決定を知らせるニュースが流れる街頭ビジョン=20日午後、岐阜市

夏の甲子園の中止決定を知らせるニュースが流れる街頭ビジョン=20日午後、岐阜市

 「甲子園に出たい」。大きな志を抱いて各高校の門をたたいた球児の夢は、新型コロナウイルスという見えない敵の前にあえなく散った。第102回全国高校野球選手権大会の中止が20日、決まった。夢を奪われた球児たちは、受け入れるしかない現実に悔し涙をにじませる。岐阜県民も球児の気持ちを思いやるとともに、"夏の風物詩"がなくなったことを残念がった。

 春の選抜に続き中止となった全球児の憧れ、夏の甲子園大会。この夏が最後だった県内の3年生からは、言葉にできない悲痛な思いが聞かれた。

 「悔しい」と絞り出したのが市岐阜商の福田章也主将(17)。「市岐商なら甲子園に出られると思って入学した。甲子園に出たかった」と涙をこらえながら言葉をつないだ。だが主将としては、「グラウンドで仲間と会えた時は、みんなが前を向けるような姿勢で引っ張りたい」と強い覚悟を示す。

 トレーニング中に中止を知った岐阜第一の糀谷輝杜主将(17)は「夏こそはと思って冬から練習してきたのに...」と言葉を詰まらせた。「ここでなら甲子園に行ける」と滋賀県から強い覚悟を持って岐阜第一へ入学し、野球漬けの厳しい寮生活にも耐えてきたからこそ「まだ信じられない」。甲子園という大きな目標はなくなったが「最後に仲間と戦える岐阜大会だけでもやってほしい」と願った。

 昨秋の県大会は3位で、夏は初の甲子園出場を目指していたのが大垣西。夢をかなえることはできず、久世匠朗主将(18)は「この冬は人生で一番野球に打ち込んできたので言葉が出ない。だが、チーム一丸で一つの目標に向かった日々は無駄ではない」と涙を拭った。


カテゴリ: 新型コロナウイルス 社会 高校野球