夜の店「密」の苦悩 「接客が売り」対策徹底も限界

2020年05月22日 08:10

客に感染予防の協力を求める張り紙をするなど、週明けの営業再開に備えるスナック=21日午後5時1分、岐阜市弥生町、だんだん

客に感染予防の協力を求める張り紙をするなど、週明けの営業再開に備えるスナック=21日午後5時1分、岐阜市弥生町、だんだん

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除された岐阜県内で、営業再開の前にマニュアル整備を求められたスナックなど接待を伴う飲食店が、対策に頭を悩ませている。接待するには客に近付く必要があるため、一定のサービスを維持しながら、消毒や換気、マスク着用といった対策を徹底して感染予防を図る考えだが、店主らは「お客さんが来てくれるかは分からない」と不安を募らせる。

 14日に政府の緊急事態宣言が解除された後も、県はクラスター(感染者集団)が発生した業種など6分野について休業要請を継続。営業を再開する前に、対策マニュアルを市町村に提出し、確認を受けるよう求めている。

 「接客しづらい部分は出てくると思う」と話すのは、スナックなどが加盟する県社交飲食業生活衛生同業組合副理事長の森田淳子さん。岐阜市金町で経営する会員制クラブ「グレイス」は25日から営業を再開する。客と一定の距離を保てるよう席の配置を見直したほか、スタッフのフェースシールドの着用なども検討。「再開しないと見えない課題もあると思う。その都度、工夫する」と受け止める。

 スナック「穂なみ」(同市弥生町)は団体客を受け入れないことを決めた一方、飛沫(ひまつ)防止のアクリル板などは設置しない考えだ。経営する女性は「お客さんに会話を楽しんでもらうのが店の売り。コミュニケーションを遮る物には違和感がある」と対策の難しさにため息をつく。

 組合加盟店の多くは、マスク着用や消毒、換気などの対策を徹底するほか、「3密」を防ぐためスタッフの数を減らす店もある。アクリル板のような遮蔽物の設置は、風営法に基づく構造の変更届なども必要となるため、二の足を踏む店が多いという。

 カウンター席の数を減らして25日から再開するスナック「だんだん」(同町)の経営者は「開けてもすぐにはお客さんは戻らないのでは」と見通し、「それでも私たちと同業種の店(ナイトクラブ)でクラスターが発生したことを忘れてはいけない。できる限りの対策を続けていく」と語った。


カテゴリ: 新型コロナウイルス 社会