鵜匠「継承が使命」 旅館、観覧船運航願う

2020年05月23日 08:05

  • 長良川鵜飼の漁が始まり、金華山を背景に披露された総がらみ=22日午後8時3分 
  • 捕らえた鮎を手に鵜飼漁の開始初日の感想を述べる杉山雅彦鵜匠代表=22日午後8時32分、岐阜市の長良川 

 当初の予定から11日遅れて22日に開幕した岐阜市の長良川鵜飼の伝統漁。杉山雅彦鵜匠代表(60)は「スタートを切ることができ、ほっとしている。鵜飼が皆さんの心の癒やしになれば」と安堵(あんど)の表情を見せた。一方、観覧船の運航はめどが立っていない。例年は鵜飼目当ての宿泊客でにぎわう長良川河畔の旅館業も休業を続けており、関係者は「早く観覧船の運航が始まってほしい」と願った。

 開幕延期について「当たり前のことができないもどかしさがあった」と振り返る杉山代表。初日の漁を終え、「川岸から声援や拍手が聞こえた」と感慨深げに話した。長良川鵜飼には約1300年の歴史があり「次世代につなぐことが使命。今後も切磋琢磨(せっさたくま)する」と力を込めた。

 河川敷から友人と漁を眺めた女性(78)=同市長良=は「岐阜に住む私たちにとって鵜飼は当たり前の光景。漁を見られて少し日常に近づいた気がした」と目を細めた。

 観光客が減って休業を続ける長良川河畔の旅館にとって、鵜飼開幕に寄せる期待は大きい。同市長良の旅館「鵜匠の家すぎ山」の杉山貴紀社長(41)は「かがり火とともに、希望の火がともった」と歓迎。同市長良の長良川観光ホテル石金の永瀬洋平支配人(36)は「観覧船と宿泊はセット。安心安全な状態で観覧船事業がスタートしてほしい」と祈るように語った。


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