「アベノマスク」待ってる? 県内配布まだ1割

2020年05月27日 08:06

政府が配布し、県内でも一部地域で配達が始まっている布マスク=岐阜市内

政府が配布し、県内でも一部地域で配達が始まっている布マスク=岐阜市内

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府が全国の全ての世帯に配布する布マスク2枚が、なかなか届かない。国内でマスクが入手困難となり、政府が4月1日に配布の方針を発表してから約2カ月。岐阜県内の配布完了率は25日現在で9.9%にとどまる。厚生労働省は5月中の配布完了を掲げており、担当者は「予定から遅れることはない」と強調するが、県民からは「今さらもらっても使わない」と冷ややかな声も上がる。

 厚労省のウェブサイトでは「店頭でのマスク品薄が続く現状を踏まえて、確保の目途が立った布製マスクを、国民の皆様に幅広く、速やかに配布するために、日本郵便の配送網を活用」とある。都道府県ごとに配布状況を掲載しており、岐阜県は「配布中」だ。

 日本郵便によると、県内では14日に岐阜市で始まり、25日までに岐阜市の岐阜中央、北の両郵便局と可児市の可児郵便局が配達を開始。クラスター(感染者集団)が発生した地域を優先しているとみられる。厚労省は5月中の配布完了を予定するが、配布対象の県内約87万戸のうち、完了したのは約8万6千戸と1割に満たない状況だ。

 残り5日で9割が未配の状況に、厚労省の電話窓口の担当者は「今週中(31日まで)にはお届けを完了できる。当初予定から遅れることはない」と言い切る。2枚では足りない大家族に向けては「5月末か6月上旬に追加分の受け付けを開始する」と説明する。

 配布を担う日本郵便の関係者は「何かを言える立場にない」とした上で、「(5月中といっても)31日に残り全てが郵便局に届けられたら、その日のうちに配り終えるのは難しいと思う」と話した。

 本来は全国で発生したマスク不足への対応として配布予定だったが、不良品の回収などが響いて遅れ、市販のマスクや手作りマスクが出回るようになり、今や政府の布マスクの方が"希少性"は高い状況だ。

 岐阜市の会社員男性(41)は「何百億円もかけたアベノマスクなので見てみたいけど、今さらもらっても使わない」、同市の70代男性は「疫病の歴史を振り返るレガシー(遺産)として新聞記事と一緒に保管したい」と話した。


カテゴリ: 新型コロナウイルス 社会