学校、苦渋の感染対策 一部で運動会や水泳中止

2020年05月28日 08:37

運動会の中止が決まった岐阜市の島小学校。運動場は児童や保護者でいっぱいになるはずだった=27日午前

運動会の中止が決まった岐阜市の島小学校。運動場は児童や保護者でいっぱいになるはずだった=27日午前

 6月1日の学校再開を控え、岐阜県内の一部の市町村は、新型コロナウイルスの感染予防を徹底するため、運動会や水泳の授業、飛沫(ひまつ)リスクが懸念される合唱などの中止を決めた。感染リスクを減らすためだが、感染防止と教育機会担保の両立というジレンマを抱えながら、教員らは再開準備に追われている。飛沫飛散防止シールドなど独自の感染症対策を取る動きも出ており、学校現場は「コロナ共生時代」の教育環境の在り方を模索している。

 岐阜市は小中学校の運動会や社会見学、合唱、学習発表会などの中止を既に決めている。「行事を楽しみにしていた児童や保護者に中止を伝えるのは心苦しいが、再流行を防ぎ、学校で友達に会えるという最低限の幸せを守るためにはやむを得ない」と、島小学校(同市北島)の宇留野博美校長(59)は理解を求める。運動会の代案として、クラス対抗で競技を行って校内放送で結果を発表し合う試みを検討している。「できないことを悔やむだけでなく、何のための行事か、工夫できることはあるかを問い直す機会にしたい」と話す。

 関市、恵那市、美濃加茂市、土岐市、各務原市、可児市、加茂郡七宗町、同郡八百津町などは水泳の授業を中止する。「更衣室の密が怖い。複数の学年やクラスが合同でプールを使っているため」と関市教育委員会の担当者は中止の理由を説明する。

 一方、自治体独自の感染症対策も進む。大垣市は感染のリスクを減らすため、小中学校全32校で水道の蛇口のハンドルを三角形からレバー形に交換している。興文小学校(同市西外側町)では27日、職員らが蛇口の交換作業を行った。登校日で学校に来ていた児童たちが使い方を教わり、腕でレバーを動かした。

 関市では、児童生徒がマスクを外す昼食時間に、机の前に立てて使用する飛沫飛散防止シールドを導入する。約9300個を用意し、児童数の少ない小学校を除く、27の小中学校、関商工高校に配備する。

 休校を受けて授業時間数を確保するため、夏休みを短縮し子どもたちが夏季に学校に通うことから、暑さ対策にも気を配る。各務原市では、小中学生に首元を冷やすネックバンドを1人2個ずつ配り、校舎出入り口にはミストシャワーを設置する。

 子どもたちにストレスを与えないための配慮も。多治見市平野町の養正小学校では、子ども同士の距離を保つための目印に動物の足跡をかたどったマークを手洗い場などに貼る。「心を和ませ、明るく前向きな気持ちで児童に感染対策に取り組んでほしい」と中川和人校長(59)は話した。


カテゴリ: 教育 新型コロナウイルス