「静かな夏」苦渋の選択 郡上おどり、白鳥おどり中止決定

2020年05月30日 08:16

今年の全日程の中止を発表する日置敏明市長(左)、藤田政光郡上おどり運営委員会長(中央)ら=29日午後、郡上市八幡町島谷、郡上八幡旧庁舎記念館

今年の全日程の中止を発表する日置敏明市長(左)、藤田政光郡上おどり運営委員会長(中央)ら=29日午後、郡上市八幡町島谷、郡上八幡旧庁舎記念館

 岐阜県郡上市の郡上おどり運営委員会と白鳥おどり実行委員会は29日、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図るため、今年予定されていた郡上おどり(国重要無形民俗文化財)、白鳥おどり、白鳥の拝殿踊り(国選択無形民俗文化財)の全日程を中止する、と発表した。同市八幡町島谷の郡上八幡旧庁舎記念館で記者会見を開き、両委員会の名誉会長でもある日置敏明市長が「長期間にわたる催しのため、慎重に検討を進めてきたが、やはり踊り会場で密集、密接を回避するのは難しい。来場者が会場で感染することがあってはいけない」と苦渋の決断に至った経緯を説明した。

 八幡町で行われる郡上おどりは、7月11日~9月5日の延べ31夜が予定されていた。天候不良などで一部日程が中止になったことはあるが、全日程の中止は、同運営委員会として開催するようになった1971年以降では初めて。郷土史家や郡上おどり保存会の記録などによると、少なくとも1923年の同会発足以降は戦時中も含めてシーズン全てが中止になったことはないとみられる。

 藤田政光運営委員会長は「全国の踊りファンのために、おはやし演奏をインターネットでライブ配信することを計画している」と明らかにした。各日の神事については、各主催団体の判断に委ねられるという。

 同市白鳥町を舞台にした白鳥おどりは7月18日~9月26日の延べ18夜、白鳥の拝殿踊りは7~9月に5夜行われる予定だった。全日程の中止は47年の白鳥踊り保存会発足以降では初めて。遠藤正史実行委員長は「来年以降に伝統をつないでいくために、担い手を育てていく期間にしたい」と話した。


カテゴリ: くらし・文化 新型コロナウイルス 社会