元祖みそかつ「一楽」 一時移転、再スタート

2020年06月02日 09:08

  • 初代から味を守り続けるみそかつを提供する3代目の山口一徳さん=岐阜市弥生町 
  • 初代からののれんを出して営業を始めた「元祖みそかつの店 一楽」=岐阜市弥生町 
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 名店の味お待たせ-。岐阜市の高島屋南地区再開発事業に伴い、昨年2月から休業していた「元祖みそかつの店 一楽(いちらく)」が、同市弥生町で再スタートを切った。本格的な営業開始は2日からだが、再開を待ちわびた常連客らが連日足を運んでおり、3代目の山口一徳さん(38)は「初代の祖父の味を守り抜く」と気持ちを新たにしている。

 一楽は1957年に山口さんの祖父母の博さん、芳子さんが岐阜高島屋の南側で開業。直前に営んでいた居酒屋で提供していたどて煮のみそ鍋に串カツが落ち、食べたら、おいしかったというのが味の原点。博さんは独自でみそを研究し、煮込んでも風味が飛ばない八丁みそとザラメ、水でさらりとした口当たりのみそだれを考案した。みそは創業以来、継ぎ足して味を守り続けている。肉は脂身の少ない豚のモモ肉を使い、衣も薄めで、食べてももたれないのが特徴。この味で客の胃袋をつかみ、幅広い世代の客が訪れる店になった。

 25年前に博さんは亡くなり、しばらくは山口さんの父親が店主を務めたが、15年程前、山口さんが3代目として引き継いだ。

 再開発ビルが完成した後は、元の場所に戻る予定で、期間限定で営業する物件を昨年2月から探していたところ、弥生町に初代の店構えに似た細長く狭い造りの物件が見つかった。オーナーも店の常連と分かり、すぐに話がまとまった。

 その矢先に、市内でクラスター(感染者集団)が発生。休業から1年以上がたち1日でも早く再開したい気持ちがあったが、5月中旬まで待ち、テークアウトやメニューを限定しての営業を始めた。再開を聞きつけたファンが続々と来店し、祖父の代からの常連客には「先代の味を思い出す」と声を掛けられたという。

 山口さんは「『やっと食べられた』などと言ってもらえると本当にありがたい。おじいさんの味と言われるとさらにうれしい。今後も祖父の味を守り続ける」と意気込んでいる。


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