「日常」へ気をもむ教員 AI自動検温/給食は黙々と

2020年06月02日 08:22

体温を測定するサーモグラフィーの前を通過する生徒たち=1日午前8時55分、岐阜市鴬谷町、鴬谷中学・高校

体温を測定するサーモグラフィーの前を通過する生徒たち=1日午前8時55分、岐阜市鴬谷町、鴬谷中学・高校

 学校現場では、感染リスクを避けながら、子どもたちの日常を取り戻していく難しい対応が求められている。検温やアルコール消毒を徹底し、再開初日は大きな混乱なく終えたが、休校期間中に乱れた生活リズムを立て直し、学習面など子どもたちが抱える不安にいかに向き合うか腐心する。

 「これ、すごいね」。学校の入り口前に設置された大型モニターを生徒たちが食い入るように見つめた。顔写真や体温、熱があると赤くなるサーモグラフィーが表示されていた。鴬谷中学・高校(岐阜市鴬谷町)では、登校してきた生徒の体温を自動で測定できる人工知能(AI)を導入し、健康状態をチェックした。機器の前を生徒が通過すると、AIが顔を認証し撮影して体温を測定する仕組みだ。加藤繁樹事務部長は「最先端の機器を活用して、生徒の健康管理に役立てたい」と話した。

 北九州市の小学校で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したこともあり、学校現場の緊張感はより高まっている。下呂中学校(下呂市森)ではこの日、給食を実施。教員らは事前に何度も繰り返したシミュレーションの通りに配膳を進め、容器を受け取った生徒全員前を向き給食を黙々と食べた。近くを車が走る音や鳥のさえずりがよく聞こえるほど、教室は静かだった。中村好一校長は「飛沫(ひまつ)感染の恐れもあるので、しばらくは辛抱だが...」。

 出席番号の奇数、偶数で半々に分かれて午前、午後の分散登校をした岐阜北高校(岐阜市則武)では、教員が「ちょっと距離を空けよう」と生徒たちにソーシャルディスタンス(社会的距離)を促す姿が見られた。中嶋成人教頭は「事あるごとに手を洗うなど、自宅では徹底しきれていなかったことも多いはず。いかに意識づけをしていくか」と頭を悩ませる。遅くなりがちだった就寝、起床の時間など生徒の生活習慣の立て直しも課題と感じており、「徐々にリズムを取り戻し、学習に打ち込めるようにしていきたい」と話した。


カテゴリ: 教育 新型コロナウイルス