フルーツサンド人気「パーラーおおくま」6月30日閉店

2020年06月09日 08:57

  • 柳ケ瀬の通りが見える大きな窓を背に40年の歩みを振り返る大熊聖三さん=岐阜市金町、フルーツパーラーおおくま 
  • 長く女性客らに愛されてきた看板メニューのフルーツサンド 

 彩り豊かなフルーツサンドで知られる岐阜市金町のフルーツパーラーおおくまが、今月30日で閉店する。柳ケ瀬を拠点に約40年間営業し、女性客らの人気を集めてきたが、経営する大熊聖三さん(72)、秋子さん(73)夫妻は、体力の限界を感じて閉店を決断した。夫妻は「お客さんの声に励まされてきた」とこれまでを振り返る。

 フルーツサンドの写真の看板を目印に、大理石の階段を上る。店内は通りに面した大きな窓が広がり、柳ケ瀬の町並みが見える。

 1981年、果実店を営んでいた父親の勧めで聖三さんが開業。若い頃から果実店を手伝い、父親と都市部の高級果物店に出掛け、果物店や喫茶店で修業した。その経験を生かし「岐阜にない都会的な店を」とさまざまなメニューを打ち出してきた。

 看板メニューはフルーツサンド。バナナやキウイなど8種類ほどの果物を、イチゴジャムと生クリームを片面ずつ塗ったパンで挟む。果物の味を生かすため、パンは薄めに切るのがおいしさの秘密だ。東京から来た客から「おおくまさんのフルーツサンドが一番おいしい」と言われたこともある。

 ほかにもメロンやオレンジの生ジュース、夏は自家製のフルーツシロップのかき氷なども手掛けた。最近では会員制交流サイト(SNS)のインスタグラムなどを通じて人気が広がり、若い女性客も増えていた。

 開業当初は都会的な雰囲気から、お見合いの場として多く利用された。40年の歳月を重ね、今では「子どもの頃、親と一緒に来た」という客もいる。張り紙で閉店を伝えると、常連客から惜しむ声が相次いだ。

 「店をやめるのは正直寂しい。苦しい時もあったが、お客さんの『おいしかった』という声を励みにしてきた」と聖三さんは感謝する。残り1カ月もこれまで通り精いっぱい客の期待に応えていくつもりだ。木曜定休。

 同じ建物の1階にある大熊果実店はこれまで通り営業を続ける。


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