手軽に散策登山、大パノラマ展望台も 三井山(各務原市)

2020年06月12日 09:13

  • 山頂からは360度の眺望がきく。北東方面には航空自衛隊岐阜基地が眼下に 
  • 三井山中腹にある石仏群=いずれも各務原市三井山町 

 三井山(みいやま)は岐阜県各務原市南西部の三井山町に位置する標高約109メートルの独立峰。周辺一帯が公園として整備され、山頂まで緩やかな登山道があり、手軽な散策登山が楽しめる一方、戦国時代の山城遺構や古代の祭祀(さいし)遺跡である複数の古墳があったことはあまり知られていない。三井山の魅力を伝えようと尽力する三井町第一自治会長、奥原今朝好(けさよし)さん(69)の案内で三井山を周遊した。

 高山市高根町出身の奥原さんが三井山近くに住んで50年近く。大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」の影響もあり、三井山の歴史を紹介しようと数年前からこつこつ手作りの案内板を立て、散策路を切り開いてきた。

 奥原さんによると、三井山はかつては山自体が水を司(つかさど)る御井神(みいのかみ)のご神体として信仰されていた。中腹には平安時代の延喜式神名帳にも記載がある御井神社があったが、戦国時代に土岐氏ゆかりの領主三井(土岐)弥一郎によって山城が築かれる際に本殿が山下の現在の三井町に移されたそうだ。山中には土岐氏と斎藤氏が争った際に織田信秀(信長の父)に焼き討ちされ廃城になってしまった三井城の遺構や御井神社の旧跡、横穴式石室を持つ古墳、竜神を祭っていた巨石「立岩」、江戸時代の石仏群など古い歴史や信仰を感じさせる史跡がたくさんある。

 山頂まではゆっくり歩いても約15分。展望台からは360度の眺望が楽しめ、名古屋のビル群や小牧山、金華山などが望める。御井神社奥之宮があるほか、航空自衛隊の岐阜基地が近く、戦闘機などの離陸を間近で見ることができる。

 立岩は登山道入り口から東の南回りコースをたどるとすぐ。不動明王を祭る大岩が山麓の三井池を見下ろす位置に鎮座する。昭和初めまで池は今の5倍ほどの大きさがあり、「立岩は池に面し、岩の上から池に飛び込んで遊ぶ子どもがいたそう」と奥原さん。戦前までは神社の春祭りの際、酒を入れた竹筒を池に投げ入れてその年の降雨量などを占う「酒占(さかうら)神事」も、立岩で行われていたという。

 江戸時代に作られたとされる石仏群も見どころ。「約50体ある石仏は1体1体顔や姿が違う。文殊菩薩(ぼさつ)や阿弥陀如来などもあり、生まれ年の"守り神"を探してみては」。ここでも奥原さんの案内板が手掛かりになるはずだ。

【案内】 ▽三井山 住所=各務原市三井山町。交通=車なら清水橋たもとの新境川の堤防付近に駐車できる。公共交通機関利用の場合はJR那加駅から徒歩30分、名鉄市民公園前駅から徒歩25分。問い合わせ=同市役所、電話058(383)1111。


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