保護者休業、遠い補償 個人申請求め署名活動

2020年06月21日 08:45

新型コロナウイルスによる休校に伴う保護者の休業補償について、個人での助成申請を望む女性=岐阜市内

新型コロナウイルスによる休校に伴う保護者の休業補償について、個人での助成申請を望む女性=岐阜市内

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時休校によって仕事を休まざるを得なかった保護者への休業補償。国は従業員に年次有給休暇とは別に独自の有給休暇を取らせた企業を助成金の対象としているが、独自の休暇制度を導入するかは企業に委ねられている。勤め先の方針で受け取れなかった岐阜県大垣市のシングルマザー(40)は「先が見通せず不安な気持ちで生活していた。個人でも申請できれば」と制度の拡充に向け、署名運動を進めている。

 女性は製造業の工場でパートとして働きながら中学3年の長女と小学3年の長男を育てる。平日午前9時から午後4時まで働いていたが、3月2日に臨時休校が始まると、子どもの世話をするため、昼すぎまでに勤務時間の短縮を強いられた。学校が再開されて6月上旬から以前の勤務時間に戻ったが、この間、収入は半分ほどに減った。

 女性は6月に入り、会社に助成金を利用できないか尋ねると、祖父母らに預けて出社している同僚もいて「一人だけ使うのは不公平で難しい」との回答だった。「休みを取らせてもらった分、しつこく求めるのは心苦しい」と複雑な胸中を明かし「会社に認められないと1円も補償を受け取れない制度。貯金を切り崩して生活している」と制度の拡充を訴える。

 この休業補償は、独自の有給休暇を設けて保護者に取得させた企業に、企業が支払った賃金相当額を助成する仕組み。従来の上限は日額8330円だったが、4月1日以降に取得した休暇は1万5千円に引き上げられた。

 「事業者が申請することで(補償までの)ハードルが上がっている」と、県労働組合総連合(岐阜市徹明通)の平野竜也事務局長は指摘する。パート従業員の多い職場では、人員不足を懸念して制度を設けることに二の足を踏む企業もあるという。「感染拡大の第2波、第3波が予想される中、このままでは生活困窮者がさらに出る」と語る。女性や県労連などは、従業員が助成金を直接申請できる制度を目指して署名活動を行っている。


カテゴリ: 政治・行政 新型コロナウイルス 社会