戻ったホタル癒やしの光 西日本豪雨で大幅減も復活

2020年06月25日 08:43

川沿いを飛び交うゲンジボタル=美濃市神洞、神洞川(ISO100、絞りF4で2分間露光)

川沿いを飛び交うゲンジボタル=美濃市神洞、神洞川(ISO100、絞りF4で2分間露光)

 ホタルの名所として知られる岐阜県美濃市神洞の神洞川に今季、ゲンジボタルが戻ってきた。2018年の西日本豪雨で川が増水し、生息域が被災。昨季はまばらに飛ぶ程度で、地元有志で環境保全に取り組んできた団体の活動休止も重なり、復活が危ぶまれていた。

 「8時になると一斉に飛び始めるよ。時計でも見とるんかな」。昨年から保全活動を担う神洞自治会の前会長山田宏文さん(66)の言葉通り、腕時計の分針が頂点に差し掛かると、無数のホタルが明滅しながらたゆたう光跡を描き始めた。

 30年以上にわたり生息域の環境保全に取り組んできた「神洞ホタルを守る会」は、会員の高齢化などにより18年に活動を休止した。現在は地元自治会の役員が中心となり、活動を引き継いできていた。

 そのさなかに豪雨が襲った。ホタルの産卵時期に多くの卵が流され、川沿いのホタルは例年と比べ大幅に減少。今年は自然の回復力を信じて見守っていた。

 ホタルの鑑賞会を兼ねた恒例の祭り「神洞ホタルの夕べ」は、新型コロナウイルス禍で今年は中止に。それでも住民は散歩途中に時折足を止め、復活した地域の宝を楽しんでいる。山田さんは「例年よりもまだ個体数は少ないが、住民にとって癒やしの光になっているはず」と、舞い飛ぶホタルを目で追った。


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