1301年、多治見市に土岐源氏 勢力拡大裏付ける寄進帳

2020年06月27日 09:01

古文書について説明する福島金治教授=多治見市弁天町、長福寺

古文書について説明する福島金治教授=多治見市弁天町、長福寺

◆土岐明智氏?「兵衛太郎」の名も

 岐阜県多治見市文化財保護センターは26日、1301年ごろに書かれた古文書が、同市弁天町の長福寺で見つかったと発表した。東濃地域で発見された古文書の原本としてはこれまでで最も古いという。古文書は同寺の本尊を造る際に寄進した人の名を記した巻物。土岐源氏の名前もあり、同センターは「当時の多治見市周辺に土岐源氏の勢力が及んでいたことを裏付ける史料」としている。

 同寺の古文書の整理作業をしていた愛知学院大文学部の福島金治教授(日本中世史)が今年2月に発見、「美濃国池田御厨某寺奉加帳」と名前を付けた。巻物は縦約30センチ、長さ6・5メートル。記された寄進の日付から、1301年ごろの古文書と分かった。

 同センターや福島教授によると、巻物には寄進者の名前や寄進した金額が記されている。現在の多治見市を中心に瑞浪市や名古屋市を含む広範囲にいた武士や僧侶、庶民など幅広い層から1万人を超える寄進者がいたことが分かるという。

 土岐頼氏、源頼衡など土岐源氏とされる人物も寄進者に名を連ねる。福島教授は土岐源氏の勢力が拡大するころと古文書が書かれた時期が重なるとした上で「広範囲にわたって幅広い身分から寄付を集めるという中世の勧進の方法の一つが読み解ける。地域の立派な史料だ」と強調した。

 寄進者の中には明智兵衛太郎という名前もある。1339年に土岐氏から派生した土岐明智氏との関連について、福島教授は「土岐氏から分かれた明智か、別の明智なのか分からない」と述べるにとどめた。

 同寺の良盛快正住職は「寺は1331~34年に創建されたと伝わるが、古文書が出てきたことでもう少し古い年代に創建された可能性もある」と語った。


カテゴリ: くらし・文化