岐阜県駅周辺まちづくりに影響 リニア延期見通しに市民ショック

2020年06月28日 09:12

2027年のリニア中央新幹線開業に向け、JR中央線沿線に設置されている看板=27日午後、中津川市太田町

2027年のリニア中央新幹線開業に向け、JR中央線沿線に設置されている看板=27日午後、中津川市太田町

 リニア中央新幹線の工事を巡って対立を深めるJR東海と静岡県のトップ会談が物別れに終わり、予定の2027年開業が困難となったことを受け、中間駅の岐阜県駅(仮称)が開設される中津川市の地元住民からは駅周辺のまちづくりへの影響を懸念する声が広がった。駅利用客を呼び込みたい周辺自治体の観光関係者からも懸念の声が出ている。

 「開業目標に向かって動いてきたので話の腰を折られたような気持ち」と話すのは、県駅予定地のJR美乃坂本駅近くに住む自営業の女性(75)。3月に県駅の工事事業者が決定、建設予定地で建物の取り壊しが進む中で、女性も今年秋の立ち退き移転に向け準備を進めており、心中は複雑だ。

 地元の坂本地域まちづくり推進協議会の市岡勉会長(76)は「予想はしていたことだが、開業が先に延びるとなれば地元にとってはショッキングな話」と残念がる。市内のリニア工事計画にも影響が広がることに懸念を示した上で「JRには住民への丁寧な説明を求めたい。市は県駅周辺のまちづくり計画を、後ろ倒しにせずに予定通り進めてほしい」と注文する。

 リニア開業による観光誘客に期待を寄せる隣の下呂市の下呂温泉観光協会の瀧康洋会長は「東京への一極集中を防ぎ、地方が強くなるためにリニアは必要。開業が遅れることで、日本全体の発展にブレーキとなるのではないか」と話す。


カテゴリ: 社会