ジム「危ない」印象払拭へ 定員減、感染対策万全

2020年06月29日 07:49

  • アクリル板で仕切り、さらに1台おきの利用を徹底する有酸素運動機器のコーナー=本巣市三橋、フィットイージー岐阜本巣店 
  • 会員の顔認証と体温検知の機器を連動させた入店システム=同 

 新型コロナウイルス感染症が収束しない中、特に厳しい感染対策を求められている業種の一つがスポーツジムだ。運動による激しい呼吸やトレーニング機器を介した接触という感染リスクを抱えるが、対策を徹底して営業を再開する事業者が岐阜県内にもある。県内外でのクラスター(感染者集団)発生の影響が続くが、"アフターコロナ"の時代に合わせたジムの在り方を模索している。

 「いらっしゃいませ」。入り口に設置された顔認証と体温検知のモニターに利用者が顔をかざすと、体温の確認後、機械の音声とともに自動ドアが開いた。東海地方を中心に会員制ジム49店舗を展開するフィットイージー(本社・岐阜市)が導入を進める自動入店システムだ。同社は5月14日の県内での緊急事態宣言解除を受け、県に感染防止対策の取り組みを書類で提出した上で、同16日から営業を再開した。

 本巣市三橋の岐阜本巣店では有酸素運動機器は1台置きで利用することとし、さらに自社で製作したアクリル製の間仕切りを設置。消毒液とペーパータオルを備え、利用するたびに機器を拭く。スタジオは利用定員を3分の1ほどに減らし、本社で撮影したインストラクターの映像を生配信する形に変えた。

 約3カ月ぶりに来店した男子大学生(20)=岐阜市=は、「ようやく来られた。しっかり対策をしていて安心して利用できる」と話す。同社の國江仙嗣社長(56)は「これがアフターコロナのジムのスタンダードになるだろう」と自信を見せる。

 スポーツジムでのクラスター発生により、同社では3月下旬から利用者が激減。緊急事態宣言を受けた県の休業要請に従い、4月22日から5月15日まで全店舗を臨時休業した。以前は3万人いた会員のうち約7千人が休会し、約2千人が退会。再開後も県内の1店舗当たりの利用者数は感染拡大前に比べて6割にまで減少している。夏に向けて会員が増えるはずの4、5月に休業が重なり、新規出店も先送りした。

 「今もがかなければ、沈んでしまう」。休業を機に従来から取り組んできた省人化を推進。スマートフォンなどで会員登録ができるようにし、当初はインフルエンザ対策で導入を予定していた入店時の体温検知システムも約5千万円の費用をかけて前倒しで設置した。「ジムは本来健康になってもらうための場所。危ない所というイメージを払拭(ふっしょく)し、健康づくりの場を提供したい」と國江社長は意気込む。


カテゴリ: くらし・文化 新型コロナウイルス 社会