関市民「西日本豪雨忘れない」コロナ禍、訓練できずジレンマ

2020年07月07日 07:48

 岐阜県関市の津保川流域で多くの住宅に浸水被害を出すなどした西日本豪雨から2年。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける今年は、住民、自治体それぞれにジレンマを抱きながら大雨に備えている。

 4日未明から続く、九州での豪雨被害を伝えるニュースに触れた男性(69)=関市上之保=は「一気に降る雨音や、あふれた濁流が自動販売機や車をなぎ倒しながら流れる音は忘れられない」と、2年前を思い返した。

 教訓を生かそうと、市は住民が主体的に避難経路などを事前に考える「災害・避難カード」を作成。だが、今年はコロナの影響で春以降の自治会の寄り合いなどがなくなった。2年前に市内で最も大きな被害を出した川合下自治会の青山数明自治会長(69)は「訓練ができていないのは正直不安。早め早めの避難を呼び掛けたい」と話す。

 避難所運営を支える市職員も、かつてない対応が迫られている。6月中旬の職員向け避難所開設訓練では、発熱のある避難者を隔離する方法などを学んだが、「3密」回避のため避難所に地域住民全員を収容できなくなる問題を抱えており、市民の分散避難に頼っているのが実情だ。同地区に住む無職女性(65)は「どういう場合に垂直避難するべきなのか、よく分からない。結局は自分で自分の命の責任を持つしかない」と語った。


カテゴリ: 新型コロナウイルス 社会