連休、飛騨に人波 観光地「うれしい半面、不安」観光客も恐々「密避ける」

2020年07月24日 08:23

  • 観光客でにぎわう大野郡白川村。マスクを着けて散策を楽しむ姿が見られた=23日午後 
  • 航空機などの展示を見て回る来場者=23日午後、各務原市下切町、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 
  • 大型連休にもかかわらず、観光客の姿がまばらな川原町地区=23日午後2時18分、岐阜市湊町 
  • 間隔を空けて乗車券売り場に並ぶ来場者=23日午後1時36分、岐阜市千畳敷下、金華山ロープウェー山麓駅 

 新型コロナウイルスの感染者が急増する中、4連休が23日始まった。前日に政府の観光支援事業「Go To トラベル」キャンペーンが始まり、JR高山線の全線復旧もあってか、飛騨地域の観光地は久々ににぎわいを見せた。一方、受け入れる地元観光業者らには感染拡大への不安が根強く、連日感染者が確認されている岐阜市や近郊の行楽地では客足の鈍さから先行きへの不安の声が漏れた。

 大野郡白川村にある世界遺産の白川郷合掌造り集落では、雨にもかかわらず多くの人がマスク姿で散策を楽しんだ。宮城県の自営業の40代女性は、直前まで旅行を取りやめるか悩んだ末、人との接触を避けるため車に乗って家族と訪れたといい「消毒液を持ち歩き、食事する所も密集していないか見ている」と旅先でも気が抜けない様子だった。

 自衛策を取る観光客に対し、村内の観光関係者は不安が拭えず、もろ手を挙げて喜べない。飲食店のアルバイト女性(30)は「キャンペーンのおかげか客は多い。うれしい半面、感染リスクは高まるという不安もある」と吐露。土産物店を経営する50代男性は「店でやれる予防策は限りがあるので、観光客それぞれが対策を取って来てもらいたい」と求めた。

 民宿経営の女性(69)は4月から休業しており、10月まで継続するという。「経済を回すのも大切だがキャンペーンは気の緩みにつながる。実施は先延ばしにするべきだったのでは」と投げ掛けた。

 一方、各務原市下切町の岐阜かかみがはら航空宇宙博物館には先週末と同程度の約千人が来館。孫3人と訪れた愛知県一宮市の女性(69)は、事前に混み具合の見通しを尋ねた上で来館したが「愛知県でも感染者が増えている。連休中のお出掛けはこれだけになりそう」と話した。

 岐阜市大宮町の岐阜公園の人出は少なめ。園内の売店「金華茶屋」の店主(59)は「コロナ禍の前の半分にも満たない。感染者数が増えているので明日以降も集客は見込めないだろう」と諦めた表情だった。

 加納西小4年生(9)は、埼玉県の祖父母の家へ帰省する予定が中止になった。連休中は自宅で読書を楽しもうと、同市司町の市立中央図書館で本を借りた。母親(36)は「この調子だと夏休みの予定も立てられない」とため息をついた。


カテゴリ: 新型コロナウイルス 社会