坂祝町の稼ぎ頭、パジェロ製造閉鎖「ショック」

2020年07月28日 07:58

 新型コロナ感染拡大による販売低迷を受け、2021年度上期の工場閉鎖が正式発表されたパジェロ製造(岐阜県加茂郡坂祝町)。「突然の一報にショックを隠せない」。町の雇用や財政を支えてきた存在だけに、住民や町幹部には衝撃が広がった。地域への影響を懸念する声も上がっている。

 町は2018年に発刊した町制施行50周年記念要覧で、パジェロ製造を「坂祝町の特産物ともいえる"パジェロ"を一貫生産している会社」として紹介。同社では県内の小学生を対象に工場見学会を毎年実施するなど、地域に親しまれてきた。

◆坂祝町=パジェロ生誕地

 工場近くに住む男性(73)は「坂祝を他県の人に説明するとき、パジェロの生誕地だと説明すれば分かってくれるほど町を代表する心強い存在だった。工場閉鎖は時代の流れとはいえ寂しい」と残念がった。

 町によると、2019年度の同社の従業員数は1223人で、うち町内在住者は215人。町内の取引会社は部品製造、板金、建設、土木、運輸関係など12社に上る。法人税は1058万円で町全体の約13%、町民税は3963万円で約9%、固定資産税は1億3016万円で約22%。税収全体では1億8038万円で約15%を占めた。

 柴山佳也町長は会見で、今後については県と連携しながら三菱自動車と協議検討するとし、「三菱グループという大きな屋台骨がある。いろんな力をお借りして優良企業の進出を待ち望んでいる」と強調。税収への影響については「財政的には多少苦しくはなるが新しいまちづくりを進めていかねば。町民への影響があってはならない」と険しい表情で語った。

 28日には、可茂県事務所(美濃加茂市)で雇用問題などの相談窓口を設置。29日には県と同町と岐阜労働局などが連絡協議会を開催し、雇用確保や地域経済の安定に取り組んでいく方針。古田肇知事は「今回の決定は誠に残念。まずは約千人に上る従業員の雇用の問題。そして、パジェロ製造に部品を提供するサプライヤー企業の事業継続の問題。工場跡地の活用の問題があり、こうした点は三菱自動車に十分かつ丁寧なご配慮をお願いしたい」と話した。


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