不正9年、下呂市が刑事告訴へ 不明金2億6500万円

2020年08月21日 08:43

元職員による使途不明金が約2億6500万円に上ることが判明し、頭を下げる山内登市長(右)ら=20日午前11時5分、下呂市役所

元職員による使途不明金が約2億6500万円に上ることが判明し、頭を下げる山内登市長(右)ら=20日午前11時5分、下呂市役所

 岐阜県下呂市が運営する観光施設「下呂温泉合掌村」で使途不明金が見つかり、会計担当だった元男性職員=当時(52)=が遺体で見つかった問題で、市は20日、使途不明金が総額約2億6500万円に上ったことを明らかにした。元職員は、架空の取引を装った不正な支出を9年間にわたって繰り返していたほか、新たに売上金などを着服していたことも判明した。市は元職員を近く刑事告訴する方針。

 市議会の全員協議会で説明した。不正な支出は架空取引の代金の振り込み先を知人2人の個人口座に指定する手口で、2011~19年度に計155回行われ、総額は約1億2700万円。取引先には実在の企業・事業所を記していたケースもあった。元職員は、知人から現金や口座振り込みで、ほぼ全額を受け取っていたとみられる。

 入場料など施設の売上金着服は14~19年度に計532回確認され、総額は約1億3400万円。関係書類を改ざんして、施設事務所の金庫に現金で一時保管されている売上金を着服していた。大型連休中の1日分の売上金を全て持ち去っていた事例も見つかった。金融機関の出納印の印影を偽造した形跡も見つかった。

 また、施設で販売する切手の購入代金の前払いや釣り銭用の現金を市会計課から受け取れる制度を悪用して14~19年度に計24回、約370万円を着服していた。

 市が遺族の協力を得て元職員の口座を確認したところ、残額は約1万円だった。大半が外国為替証拠金取引(FX)に充てられており、競馬などのギャンブルにも多くを費やしていた。

 山内登市長は全員協議会後の記者会見で「市政の信頼を著しく損ねる結果となり心よりおわびする」と述べ、元職員を詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の容疑で「可及的速やかに」刑事告訴するとした。

 市は管理監督責任を問い、男性施設長(54)と前施設長の男性課長(55)を減給10分の1(3カ月)とするなど5人を同日付で懲戒処分とした。山内市長も自身の給料を同様に減額する議案を9月市議会に提出する方針を示した。

 使途不明金は5月、19年度の決算処理で発覚。元職員は市の聴取後に行方が分からなくなり、遺体で発見された。その後、市監査委員を中心に、元職員が施設に赴任した11年度までさかのぼって調査していた。


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