繊維問屋街にカフェオープン 交流の場に、県産食材料理も

2020年09月02日 17:21

 通勤する会社員、登下校の大学生や高校生、近隣の高層マンションの住民と、さまざまな人が行き交うも素通りする繊維問屋街の一角で8月、カフェがオープンした。かつては2千店近くが軒を連ねたと言われながらも、現在はシャッターの下りた店舗が目立つ岐阜市問屋町。風を吹き込んで足を止める人を増やし、従来とは違った新たなにぎわいをつくり出そうと、幼少期から街との縁が深い男性が挑んでいる。

 空き店舗を活用し、開店したカフェは「Beringei cafe(ベリンゲイ・カフェ)」。問屋町で会社を経営する林伸將さん(38)が代表を務める団体「TonyaEXPO実行委員会」が運営する。店のコンセプトやメニュー開発は、子育て世代の支援活動を展開するNPO法人「こどもトリニティネット」(同市)が手掛ける。店舗名は林さんが好きなマウンテンゴリラの学名から名付けた。

 JR岐阜駅の北側に位置する繊維問屋街は戦後、焼け野原となった駅前に旧満州(中国東北部)から引き揚げた人たちが古着や軍服などを集め、バラック小屋で売ったことで始まった。ハルピン街と呼ばれた。その後、経済成長とともに問屋街も発展し、全国に名をはせた。

 林さんの祖父も紳士服店を営んだ。問屋街で今も続く「せんい祭」を手伝ったことも記憶に残るが、時代の移り変わりを肌で感じた。問屋街でのイベントを企画し、開いてきた。

 林さんは業界の現状を踏まえ、往時の姿をそのままに取り戻したいとは考えていない。誰もが気軽に立ち寄れるカフェを通じ「人が触れ合い、交流し、何かが生まれるきっかけをつくりたい。この街を支え、変えていくことは今いる人たちの責任ではないか」と考えている。


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