サンマ食べたい...でも我慢1匹350円高値

2020年09月03日 08:08

鮮魚店に並ぶ新サンマ。不漁のため、小ぶりなものが多い=1日、岐阜市玉宮町、魚ぎ

鮮魚店に並ぶ新サンマ。不漁のため、小ぶりなものが多い=1日、岐阜市玉宮町、魚ぎ

 秋の味覚サンマが恋しい季節になってきたが、先月解禁された主力の棒受け網漁の水揚げ量が低迷し、全国的な高値が続いている。岐阜県内の鮮魚店でも平年の3倍ほどの値で並び、店主は「ここ数年量が減り、扱いづらい魚になった」と漏らす。

 水揚げは先月23日に北海道で始まり、岐阜市の市中央卸売市場は29日から取り扱っている。同市場に入る水産物卸売の岐阜魚介(同市茜部新所)によると、例年は1箱(2キロ)当たり12~14匹が平均的だが、不漁のため今年は15~20匹と小ぶりに。卸値は高いもので1匹800円ほどに上がっている。

 担当者は「1隻30~40トンを捕る大型船が3隻で20トンしか捕れず、漁協でも先行きが分からないという。秋の漁の本格化に伴って増えていくといいが」と話す。

 同市玉宮町の鮮魚店「魚ぎ」では、北海道厚岸町で水揚げされた体長25~30センチのサンマを1匹350円で販売する。内藤彰俊社長(39)は「平年なら1匹100~200円で特売するサイズだが、大きいものが入ってこないので仕方がない。ここ数年、量も少なく小さいため、値付けも含めて扱いづらくなった」と嘆く。

 脂が乗り切っていないこの時期は、すしのネタや刺し身用として飲食店に買われるが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で一部のすし店や日本料理店などからしか引き合いがない。サンマは足が早く、来客の見込みが薄いのにリスクを負って仕入れる店は少ないためだ。「皮肉にも需給のバランスは取れており、思ったほど高値にはなっていない」と苦笑する。

 スーパーでは、昨年の解凍ものがまだまだ主力だが、今後も水揚げ量が回復しなければ解凍ものもなくなり空白ができる可能性もある。内藤社長は「近年の状況が続けば、秋の定番としてのサンマの地位も危うくなるかもしれない」と懸念する。

 水産研究・教育機構水産資源研究センター外洋資源グループの巣山哲主幹研究員によると、周期的な自然減に加え、親潮の流れが弱まってサンマの生息域が北上したため日本の漁場から離れ、マイワシの生息域拡大で沖合へと押しやられていると説明。「海の構造の変化が、サンマの不漁という現象として表れている」と話す。


カテゴリ: 社会