東濃の「からすみ」正体は? 高級珍味じゃないんです

2020年09月20日 09:14

瑞浪、恵那、中津川市を中心に東濃地域で親しまれている郷土菓子「からすみ」=瑞浪市薬師町、美濃廣庵

瑞浪、恵那、中津川市を中心に東濃地域で親しまれている郷土菓子「からすみ」=瑞浪市薬師町、美濃廣庵

Q. 先日、地域の方から「からすみ」と言われる東濃地域のお菓子をいただきました。てっきり、お酒にもよく合うあの高級珍味のからすみを想像したのですが、米粉を使ったういろうにも似たお菓子で、とても驚きました。この米粉の方のからすみは一体、どういうお菓子なのでしょうか。(岐阜県恵那市・男性40代)

◆富士山を模した、米粉菓子

A. 「からすみ」と聞いて一般に思い浮かべるのは、ボラなどの卵巣を塩漬けし天日干しして乾燥させた高級珍味でしょうが、東濃地域では、「からすみ」と聞いて思い浮かべるのは、米粉を蒸した郷土菓子です。

 中津川菓子組合によると、郷土菓子のからすみは東濃地域で親しまれ、江戸末期ごろから作られるようになりました。明確な史料がなくルーツに関しては諸説あるといいます。

 からすみは練った米粉を棒状にして専用の木型に入れ、型を外して15~30分ほど蒸し上げて作る和菓子です。切った断面は山の形をしており、頂点に二つのこぶがあるのがスタンダード。まれにこぶが三つあるものもあります。なぜ山の形なのでしょうか。からすみは、桃の節句で甘酒とともに各家庭で作られてきました。わが子が「日本一」幸せになるように願って、富士山を模した形になったといいます。

 一方、瑞浪市の老舗和菓子店によると、中国・唐時代の文鎮とすずりを兼ねた墨が由来ではないかと言います。山形の頂点の窪みに水を入れて作った墨液が漏れないよう両端を小さな仕切り板で塞いで使用していた道具の形を模したという説です。道具は一般に「唐墨(からすみ)」と呼ばれていたといいます。

 以前よりも手作りする家庭は少なくなったといいますが、懐かしい故郷の味のようです。

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カテゴリ: グルメ