奥飛騨温泉郷、逆境でも光 全国基準地価下落率ワースト

2020年09月30日 08:20

 岐阜県が29日に発表した県内の地価調査結果(7月1日時点)では、新型コロナウイルスの感染拡大で宿泊客の減少が響いた高山市奥飛騨温泉郷平湯家上が変動率マイナス9・3%(前年マイナス3・8%)で、商業地では全国最大の下落率となった。関係者は「インバウンドを頼ることはできず、3密対策で満室にはしにくい環境で、団体旅行を集めることも難しい。耐えざるを得ない状況」と苦境を語り、客足が少しずつ戻りつつある傾向に望みをつなぐ。

 奥飛騨温泉郷観光協会などによると、近年はインバウンド(訪日外国人客)の比率が6~7割の宿泊施設もあった。自らも旅館を経営する小瀬慶孝理事長(56)は「昼間は高山市の市街地、夜は天然温泉で楽しんでもらう。インバウンドと国内観光客を組み合わせて集客に取り組んできた」と振り返る。

 だが、2、3月以降、観光客が大きく減少した。奥飛騨温泉郷ではコロナによる宿泊施設の破産が2例発生。JR高山駅前ではホテルの建設計画が取りやめとなるなど厳しい状況が表面化した。

 ただ、県の割引クーポンの発行や、8、9月以降は感染が小康状態となったこともあり、観光客と宿泊客は徐々に飛騨地域に戻ってきた。古田肇知事は26日、全国知事会でJR高山駅周辺の9月の4連休(19~22日)の人出が5月の大型連休期間の約10倍に増えたと明らかにし、「高山市や下呂市では満室の宿泊施設もあり、旅行需要の高さを実感している」と話した。

 小瀬さんも「奥飛騨温泉郷でも今回の4連休の宿泊客数は近年と比べてもかなり多かった」と好感。コロナとの共生社会への対応が求められる今後に向け「少人数や個々の旅行客に合わせた工夫が必要となる。コロナと向き合いながら個人のニーズに合わせたサービスを提供していきたい」と力を込めた。


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