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稲枯らす害虫「トビイロウンカ」多発、悲鳴 昨年20倍超被害



 稲の株元から水分や栄養分を吸い取って枯らせる害虫「トビイロウンカ」による被害が、岐阜県内で多発している。県は先月、22年ぶりにトビイロウンカへの警戒を呼び掛ける注意報を発令し、農家に早めの稲刈りや農薬散布といった対策を促している。しかし、先月中旬以降、多くの田んぼで円形状に稲が枯れる「坪枯れ」が発生し、収穫を控える農家からは被害の深刻さを嘆く声が上がっている。

 トビイロウンカは大陸から気流に乗って飛来する体長約5ミリの害虫。県病害虫防除所の調査によると、昨年の県内被害は3カ所だったが、今年は9月23日時点で岐阜と西濃地域の62カ所で確認された。

 同防除所の堀之内勇人技術課長補佐は「暑い日が続いた9月の気温が、トビイロウンカの増加に影響しているのでは」と推測。県内では、10月下旬ごろに収穫時期を迎えるハツシモへの被害が目立つという。

 岐阜市でハツシモを栽培する男性(65)=同市則松=は先月26日、約1980平方メートルの田んぼに直径40センチほどの坪枯れが点在しているのを発見。翌日には枯れた円の大きさが約5倍に拡大していた。早急に安全性の高い農薬を散布し対策を取ったが、毎年960キロ収穫できていた米は600キロに減少する見込みという。

 「33年間米作りをしているが初めての経験」とため息をつく高井さん。対策として例年より早く稲刈りをした農家もあるが、実りが不十分な米もあり収量の減少は避けられない状況だ。

 県農業共済組合へ共済金を申請する農家も多く、担当者は「例年の5倍はある」と話す。ただ、共済金には収量の減少割合の条件があり、高井さんは「害虫被害は仕方ないが、保障が出なければショック。農業の担い手にも影響するのでは」と話した。

カテゴリ: くらし・文化 動画 社会