大桑城跡、空から「丸裸」に レーザー測量で立体地図作成

2020年10月13日 08:34

  • 大桑城跡の「赤色立体地図」の一部(市教育委員会提供) 
  • 山県市が作成した大桑城跡の「赤色立体地図」=山県市役所 

 岐阜県山県市は12日、美濃国守護の土岐頼芸が16世紀前半に築いたとされる市内の大桑(おおが)城跡について、地形をより正確に把握できる「赤色立体地図」を作成したと発表した。作成の過程で、未調査だった場所に人工的な平たん地も見つかり、林宏優市長は「地図を活用し、城の全体像の解明を進める」と話す。

 市は5月から大桑城跡がある古城山の大半の約3平方キロを対象に、ヘリを使って上空からレーザー照射で測量して地図を作成。データを基に地形の凹凸を赤色の濃淡で表現した。

 これまで専門家の徒歩による調査で、敵の侵入を防ぐ堀のほか、居住空間とみられる人工的な平たん地などの大まかな場所が分かっていた。今回の地図作りでさらに正確な位置を把握でき、傾斜の詳細も分かった。山の西側には人工的な平たん地も見つかり、今後詳しく調べる。

 滋賀県立大の中井均教授(日本城郭史)は「地図には地形や遺構の配置がリアルに表現され、城域や城の構造を詳細に検討する上で有力な資料」と評価。土岐氏が急峻(きゅうしゅん)な地形に堀を配置したり、尾根を土塁に見立てて内側の緩やかな斜面に居住空間を整備したりと、地形を巧みに利用したことも分かった。中井教授は「大桑城は斎藤道三との戦いで落城したが、道三は地形や防御施設に阻まれ、攻略に手を焼いたのでは」とみる。

 市は19日から年末まで初の発掘調査を行い、城の入口と考えられる「岩門」の解明を進める。

 大桑城は、古城山の山頂一帯に築かれた山城で、1543年に落城した。今年5~7月の調査で約30カ所の新たな石垣が見つかっている。


カテゴリ: くらし・文化