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遺影選び悩まないように「生前」撮影します メークや髪型セット



  • 夫婦と写真を確認する山口志穂さん(左)=関市下白金、写真スタジオ「toitoitoi」 
  • 女性の髪をセットするメーキャップアーティストの吉田智美さん 

 「終活」の一環として、元気なうちに遺影を撮影する「生前遺影」に注目が集まる中、関市の女性カメラマンと女性メーキャップアーティストがタッグを組み、今月ビジネス化した。きっかけはメークを担う吉田智美さん(40)が遺影選びに悩んだ実体験。カメラマンの山口志穂さん(37)も知人から相談を受けたことがあり、特別な一枚を収める事業が動き出した。

 吉田さんは3年前に母を亡くした時、遺影を選ぶのに苦労した。「葬儀の準備で忙しく、大変だった。母といえばこの写真、と参列者が納得する一枚はなかなか選べなかった」と述懐する。「多趣味で社交的な人は候補になりそうな写真が多く、選ぶのに困る。一方、会社勤めが続く人はあまりプライベートで写真を撮らないので、探すのが大変。皆、多かれ少かれ苦労しているはず」と思いを巡らせる。

 2人は市内で活躍する女性起業家で、数年前に知り合った。約半年前に再会し、遺影にまつわる経験が話題になった。ほぼ同時期に遺影の相談を受けていた山口さんが共感し、事業化を持ち掛けた。

 21日、山口さんの写真スタジオ「toitoitoi(トイトイトイ)」で撮影会を開き、市内の夫婦が参加した。メークをしてもらう時に緊張していた夫は2人の声掛けで笑顔に。「普段は見せない顔」と妻も夫の笑顔に頬を緩め、撮影では腕を組んでリラックスした様子だった。

 撮影会は「ファーストエンディングフォト」と名付けた。「エンディングフォト(遺影)」の上に「ファースト(最初の)」を付けたのは、遺影という堅苦しい雰囲気を消し、気軽に撮影に臨んでもらいたいとの願いから。吉田さんは写真を更新することを推奨する。「来年も良い写真を撮ろうという思いが、依頼者の生きがいになれば」と思いを語る。撮影会は月1回のペースで続ける。詳細は山口さんの写真スタジオのホームページ。

カテゴリ: くらし・文化 社会