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「かぐやの道」美しさ再び 豪雨被害、有志が復旧



  • 復旧が進む遊歩道を案内する半場仁会長=可児市 
  • 豪雨で被害を受けた遊歩道。奥にある竹の多くが傾いている=7月23日(木曽川左岸遊歩道友の会提供) 

 今年7月に岐阜県内を襲った豪雨で大きな被害を受けた木曽川渡し場遊歩道(可児市今渡~土田)が、地元住民グループの手によって以前の風光明媚(めいび)な姿を取り戻しつつある。左右に竹林が広がり「かぐや姫の散歩道」とも呼ばれる遊歩道には観光客の姿も多く見られるようになり、懸命に復旧作業を続けるメンバーの大きな励みになっている。

 「川の増水による水の圧力で、多くの竹がおじぎをするように傾いた。土砂も30センチ以上堆積して手のつけようがない状態だった」。水が引いた直後の遊歩道の様子を「木曽川左岸遊歩道友の会」土田地区支部長の酒向浩幸さん(59)は振り返った。竹には、川から流れ着いたごみが高さ6メートルほどの部分に今も付着しており、増水の状況を物語っている。

 同会は2008年に発足。その前年から遊歩道整備を始め、それまで半世紀にわたって放置されていた竹林を観光地として再生させた。以来、毎年3月から11月末まで、週末に会員約160人が交代制で整備を続けている。

 復旧作業は、600メートル以上にわたる遊歩道内にある傾いた竹を全て伐採し、流れ着いた流木などのごみをかき出す地道な作業。切り出した竹は粉砕して遊歩道に敷き詰めて、歩きやすくなるように活用する。

 遊歩道が歩ける状態になったのは8月中旬ごろ。会員は、今年の活動が終わる11月末までの復旧完了を目指している。同会今渡地区支部長の丹羽誠さん(76)は「7、8割は元に戻っている。やっと道らしくなってきた」と手応えを語る。

 会員の平均年齢は60歳を超えており、重労働は大きな負担。遊歩道は11年にも豪雨で甚大な被害を受けており、会員はいつ起きるか分からない自然災害とも向き合っていなければならない。半場仁会長(77)=同市今渡=は「会員は、自らの手でつくり上げた観光地を守りたいという思いが強い。今回も大変なダメージを受けたが、声をかけなくても復旧に動き出してくれた」と話す。

 最近は観光客の姿が戻ってきている。観光客は、美しい竹林や遊歩道がまだ復旧中だと聞いて、近くで作業する会員にねぎらいの言葉を掛ける。こうしたやりとりが、会員の力になっている。

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