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岐阜市工業団地、暗礁 用地所有者不明で買収交渉できず



  • 岐阜市が計画する工業団地の整備予定地=同市出屋敷 
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  • 岐阜市が計画する工業団地の整備予定地=同市出屋敷 

 岐阜市が、市北東部の三輪地域で計画する工業団地「三輪地域ものづくり産業等集積地」の整備が停滞している。用地を買収、造成し、本年度中に進出企業へ分譲する算段だったが、用地の一部の所有者が分からず、買収交渉ができないためだ。税収増や雇用創出を見込み、製造業の誘致を打ち出してから13年。市は土地の登記簿に記載されている名前を手掛かりに所有者を捜しているが、計画が難航している。

 田畑や休耕田が広がる整備予定地の一角では、雑草が生い茂っていた。県道を挟んだ向かい側の総合公園「岐阜ファミリーパーク」からは、子ども向けの楽しげな音楽が聞こえてくる。土地の売却を期待し、2年前にコメ作りをやめた60代の無職女性は「コメ作りは大変だから助かったと思ったが、計画が少しも進まない」とため息をついた。

 市は2007年、東海環状自動車道の整備に伴って県内外へのアクセスが大きく向上する三輪地域に、ものづくりの産業集積地の整備計画を発表した。農地を中心に約30ヘクタールを選定し、17年1月には約14ヘクタールを先行して整備する方針を表明、誘致対象を物流施設と研究開発施設に広げた。17年度の当初予算には基本設計費として1400万円を計上し、地元に対して説明会や意向調査を実施した。

 ところが、買収予定地の中に所有者が亡くなった後に現在の相続人が登記されていない土地が発覚。登記簿の名前を基に、その親族らへの訪問や郵送による調査を繰り返し行ってきたが、所有者の特定に至っていない。

 土地を購入する際、所有者全員の同意が必要となる。大規模な都市開発を計画しても、一部の土地でも所有者が分からなければ計画は滞ってしまう。市の担当者は「地権者が全員分かっても、それから一人一人と交渉をまとめる必要がある。何とか形にしたいが...」と話す。市によると、連絡が取れている所有者の大半は、計画に大筋で同意しているという。

 今年3月には、計画予定地の約1キロ南に東海環状自動車道の岐阜三輪スマートインターチェンジ(IC)が開通。市は年間約50万人が利用する岐阜ファミリーパークと合わせ、IC開通で観光と産業の両面で相乗効果を期待していた。柴橋正直市長は「(三輪地域の計画は)現状は進んでいない。他の地権者には丁寧な説明をし、事業を進めたい」としている。

カテゴリ: 政治・行政 社会