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岐阜県知事選、候補者選定が混迷 自民分裂の可能性も



 来年1月の岐阜県知事選を巡る情勢が、混迷を深めている。5期目を目指す古田肇知事(73)は20日に正式に出馬を表明する予定で、財界などの複数の団体は古田氏の支持で固まりつつある。候補者選定に大きな影響力を持つ自民党県連は、県議団の幹部を中心に、元県商工労働部長で内閣府大臣官房審議官の江崎禎英(よしひで)氏(55)の擁立に向けた動きを強める一方で、国会議員の大半は古田氏を支持しており、保守分裂の可能性も高まっている。

 古田氏は20日に記者会見を開いて正式に出馬を表明し、感染拡大が続く新型コロナウイルス対策の継続などを訴える構え。財界や、主要団体の一部は古田氏の支持で固まり始めており、同じタイミングで推薦を表明する準備を進めている。

 一方、自民党県連を構成する県議会最大会派・県政自民クラブ(31人)は、5選は行政の硬直化を招くほか、古田氏は県議とのコミュニケーションが不足しているなどとして、不支持が大勢。江崎氏擁立の動きを先鋭化させており、22日に開くクラブ総会で「クラブ推薦」を決定する構えだ。古田氏の支持を表明している県選出の国会議員は一本化に向けて県議側と面談を重ねたが、平行線に終わっている。

 古田氏を不支持とするベテラン県議は「新型コロナ対策には他の知事も取り組んでおり、古田県政継続の決め手にはならない。知事選の選挙運動をやるのは国会議員ではなく、県議。県議が候補者を決める」と強気を崩さない。逆に、支持する中堅県議は「財界や各種団体の推薦の動きを受け、不支持から支持に転じる県議もいるかもしれないが、保守分裂は避けられないのではないか」と心配する。

 これまでの知事選は、自民党県連の推薦候補に、公明や野党も相乗りする形で行われてきた。野党幹部は「自民県議は、江崎氏の政策や人柄を十分に知る前から古田氏不支持を示していた」と指摘。「『古田降ろし』ありきで動いた末の分裂となると、お粗末だ」と批判する。

 財界や各種団体は、県政自民ク幹部が江崎氏と面談し、出馬に前向きとの意向を確認したことを契機に、古田氏支持の動きを活発化させた。経済団体の幹部は「古田氏は『オール岐阜』として新型コロナ対策に取り組んでおり、成果も上げている。現職支持は変わらない」と話す。別の幹部は「古田氏支持ではあるが、最大会派の自民の動きを無視することはできない。動きを注視するほかない」と複雑な状況を語る。

 自民党県連は、県知事選の対応について選挙対策委員会で決定すると規定している。一部県議の間では、選対委が開かれずに分裂のまま選挙戦に突入したり、一本化が難しい場合は自主投票になったりするとの観測も流れており、分裂も現実味を帯びることとなる。県連会長の野田聖子衆院議員(岐阜1区)は15日、記者団に「大事なことは、県民にとって何がベストな選択肢かを正直に言い合うこと。見識ある結論を見つけたい」と話した。

 知事選に向けては、元県職員で新人の新田雄司氏(36)も無所属での立候補を表明している。

カテゴリ: 政治・行政 知事選