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青春の葛藤、真っすぐさ描く 吉川結衣さん(19)小説2作目



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  • 「小説はずっと書き続けたい」と話す吉川結衣さん=大垣市内 

◆「放送室はタイムマシンにならない」刊行

 大垣北高校在学時に小説家デビューを果たした吉川結衣さん(19)=大垣市=の、約2年ぶり2作目となる小説「放送室はタイムマシンにならない」(文芸社)が15日、刊行された。人を信じるということ、青春期の葛藤や真っすぐさを、若い感性でみずみずしく描いている。

 吉川さんは、新人小説家を発掘する第1回文芸社文庫NEO小説大賞で大賞を受賞。作品は「あかね色の空に夢をみる」のタイトルで昨年1月に同社から出版された。

 「放送室は―」は、高校の放送室が主な舞台。1年生で放送部員の円佳(まどか)と同級生の颯哉(そうや)を軸に、「放送室でタイムトラベルができる」という伝説を巡って、現在と過去が交錯する物語。「『放送室っていいな』と思っていた」と吉川さん。放送部に所属したことはないが、特別な感じのする放送室にあこがれがあった。

 執筆のスタイルは「大まかにストーリーを考えて書き始め、書いているうちにいろいろと細かい部分が固まっていく感じ」。高校2年の秋から3年の3月までかけて書き上げた。

 「『自分が優しい人間になれたらいいな』と思う」と、はにかむ。吉川さんの内面を投影するかのように、デビュー作、今作とも、登場人物たちの優しい言動が物語を動かしていく。

 愛知淑徳大の創造表現学部に進み、小説、漫画、映画、演劇などの創作について学んでいる。講義がリモートになるなど、入学後のキャンパスライフは新型コロナウイルスの影響を受けた。

 そんな中、独学で手話を始めた。「声のない言語に興味があって。私は話があまりうまくないけれど、手話なら思いを伝えやすい」。今は大学の手話サークルに所属し、研さんを積む。

 大学生の物語を複数執筆中という。将来については「小説だけで生きていくのは簡単ではないし、どうなるか分からない。それでも小説はずっと書き続けたい」。シャイな吉川さんが、きっぱりと言い切った。

カテゴリ: くらし・文化