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テント泊でやぶの中発見/「酷道」付近で調査 三角点709カ所踏査達成



  • 最後の三角点の踏査を果たし、万歳三唱で喜ぶ大垣山岳協会の会員たち=29日午前11時18分、大垣市上石津町、烏帽子岳 
  • 山頂にある3等三角点の石標。地下にも80センチほど埋もれている=同 

 地図作りの基準になる三角点のうち、岐阜県美濃地方にある3等以上の現況を調べていた大垣山岳協会が29日、全709カ所の踏査を達成した。会員で手分けして県境の山にも分け入り、3年かけた成果で、最後に残った大垣市上石津町の烏帽子(えぼし)岳(865メートル)の三角点を前に会員28人が万歳三唱をして喜んだ。

 三角測量の基準になる三角点は明治期に設置が始まった石の指標で、全国に10万9千基、県内には3113基ある。大垣山岳協会は、登山に必須な地図を読む力を養おうと、創立60周年の記念事業として2017年秋から踏査に取り組み始めた。

 会員を7班に分け、川筋ごとに分担。三角点は山頂や見通しの良い場所に多いが登山道から離れていることもあり、難易度別にA~Cのランクを付け、山深い県境付近は若手が担った。

 徳山ダムで道が水没した箇所は、ホハレ峠を越えて門入の集落跡にテントを張って2日がかりで探した。中津川市加子母の長野県境付近では、林道を10キロ歩いて沢を登り、やぶをかき分けてたどり着いたという。

 同会常任理事の清水克宏さん(62)=大垣市=は、「酷道」とやゆされる福井県と本巣市の境の国道157号付近を担当。「通行止めと崖続きで寄り付きが難しく、谷を探してようやく入った。見つけた時は『やった』と喜んだ」と振り返る。同時に、「地図を作るという近代国家になるための偉業をやり遂げた先人の苦労を感じた」と今回の意義を説く。

 一連の踏査は恵那山の2190メートルを最高点に、ほぼ標高0メートルの低地まで及んだ。旧三洋電機岐阜事業所のソーラーアーク脇やゴルフ場内は許可を得て入れてもらった。田んぼの一角の金属製のふたを開けたら収めてあったことも。建設工事などで数カ所で無くなっていたことも確認した。

 烏帽子岳は同協会が登山道の整備を手掛けた縁がある地元の山のため、締めくくりに選んだ。2時間かけて山頂にたどり着くと、会員らは次々と標石を触り、「全点踏査達成」の紙を広げて記念写真に収まった。

 踏査を提案した堀義博会長(73)は「普段の登山にない苦労があったが、皆さんの協力で無事達成できた」と笑顔を見せていた。

 今回、収集した写真と報告をまとめ、来年1月に美濃地方東部の分を書籍化。西部の分も来年中に発刊する。

カテゴリ: くらし・文化