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高山陣屋前にホテルオープン 内装に杉材や間伐材生かす



  • 圧縮杉材のフロア、端材のテーブル、枝照明(奥)など森林資源を生かした多目的スペースを紹介する中村匠郎さん(中央)ら=高山市八軒町 
  • 隙間を空けて積まれた杉材が独特の質感と存在感を放っている部屋=同 

 「観光と地場産業の木工業とのアンサンブル(調和)」をテーマにした少数限定ホテル「cup of tea ensemble(カップ・オブ・ティー・アンサンブル)」が、岐阜県高山市八軒町の高山陣屋前に15日オープンする。杉材や間伐材、端材など家具産業で使われない森林資源を生かした内装で、単なるホテルではなく地域の拠点を目指す施設として14日、報道陣に公開された。

 運営はまちづくりグループDONNA(ダナ)。共同代表で同町で銭湯とゲストハウスを経営する中村匠郎さん(36)が斐太高校同級生のデザイナー早川和彦さん、建築家中村篤史さんと発足させ、同市漆垣内町の家具メーカー飛騨産業とのコラボレーションでホテルを企画した。

 発想の原点は、飛騨高山の観光の在り方に疑問を抱いていた中村匠郎さんが、観光と地場産業をつなげる新たな観光を模索。飛騨産業に協力を持ち掛けると、創業100周年で地域連携に取り組む同社が建材、家具、寝具などを提供し、旧高山信用金庫の支店を改装した。

 コラボのコンセプトは「あるものをいかす」。家具としての使用に向かない小径、短尺の杉材を計1万6千本使用。積み重ねて不規則なデザインがアクセントになっている建具、ベッドに活用。杉は柔らかくて床材に向かないが圧縮することで使用可能にし、間伐された枝に発光ダイオード(LED)を付けた枝照明や、端材を円筒状に束ねたテーブル、中古椅子も使用している。全体に山県市産の柿渋を塗ることで統一性を出した。

 部屋は4人部屋が6、6人部屋が2の計8室限定で料金は素泊まりで1人4千円から6千円。1階の共有スペースは、コンセプトの森林資源をふんだんに使っており、中村匠郎さんは「地域の人も木を身近に感じる拠点としてイベントや教室などに活用し、持続可能な地方都市へアップデートしたい」と意気込む。飛騨産業の岡田贊三社長は「地域を活性化させるユニークな取り組み、今後も協力していきたい」と話した。

カテゴリ: おでかけ くらし・文化