低温貯蔵で甘みをギュッと 南濃みかん出荷
棚にぎっしりと積まれ低温貯蔵で熟成させた、岐阜県海津市特産の「南濃みかん」の蔵出し作業が、今月から市内の農家で行われている。
同市南濃町の養老山地の斜面は、明治時代初めに紀州産の苗を植えて栽培が始まった県内唯一のミカンの産地。栽培適地の北限とされる。酸味を抑え甘さを引き出すため、古くから低温で貯蔵し出荷している。
同町松山の川合聡さん(58)の貯蔵庫は、土壁で通気性が良い室温5度前後のミカン専用の蔵。高さ約7メートルの2部屋には、ミカンが入れられた計1080個の木箱がうずたかく積み上げられている。
昨年12月初旬の収穫時には皮にうっすらと青みが残っていたミカンも、蔵の中で熟成してオレンジ色に。川合さんは「甘みが十分のっておいしくなった」と話す。
3月末ごろまでJAにしみの直売店や、市内の道の駅などで販売する。