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林業のデジタル化加速 高齢化、担い手不足解決に期待



  • 研修会でOWLの使い方を学ぶ林業関係者ら=昨年12月、美濃市曽代(いずれも県森林文化アカデミー森林技術開発・支援センター提供) 
  • スキャンしたデータの解析画像 

 岐阜県内の林業で、森林調査にレーザー照射を活用した測量を導入する動きが広がりつつある。木を1本ずつ測る従来の調査方法と比べ、木の本数や太さ、高さを短時間で正確に把握でき、1人でも操作が可能になる。林業の高齢化や担い手不足が進む中、作業の効率化、省人化につながるとして、デジタル化への期待が高まっている。

 昨年12月、美濃市曽代の県森林文化アカデミーで開かれた林業デジタル化推進研修会。3日間で林業関係者約30人が参加し、レーザーで測量できる森林3次元計測システム「OWL(アウル)」の説明を受けながら熱心にメモを取っていた。

 OWLはレーザーを照射し、そのはね返りによって、樹高、直径、木の分布を計測できる最新機器。講師を務めた同アカデミーの森林技術開発・支援センターの大島愛彦さんは「山の状況を一目で確認できるのが利点。材積と木材価格の予測もできるため、採算を示しやすい。林業はアナログなイメージが強いがデジタル化できる」と強調する。

 従来の森林調査は樹高、直径、木の分布をメジャーやポールを使って調査する。人手と時間が掛かり、測定する人によって差が出ることもあるという。

 OWLは重量約3キロと軽く、機器を一脚で固定してボタンを押せば、45秒間で正確に広範囲のデータを取得できる。さらに、付属のソフトウェアを使ってパソコンでデータを見ることができ、データ入力の手間もいらない。

 飛騨市森林組合では2017年から県内の森林組合で先駆けて導入。郡上森林組合も18年に取り入れた。いずれの担当者も「1人で作業ができる。データ集計の手間がないのが利点」とメリットを語る。

 県も導入を後押しする。昨年6月の一般会計補正予算には、林業現場の密を解消するための林業デジタル化推進事業に1億3390万円を計上。OWLなどICT機器の導入支援として購入額の約4分の3を補助する。OWLはソフトウェアも合わせると約400~500万円と高額だが、5日時点で六つの森林組合と民間事業者が補助を活用して導入を決めた。県は新年度も継続して予算要求している。

 今後は、業界全体に普及できるかが課題だ。同アカデミーの大島さんは「出張の研修制度なども検討しており、研修を重ね、機器の利点を伝え、さらに広めたい」と話している。

カテゴリ: 社会