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やくならマグカップも「アニメ+陶芸」日本一暑い街が聖地に



 「日本一暑い街」がアニメ聖地に―。岐阜県多治見市を舞台に、陶芸に打ち込む女子高生たちを描いたフリーコミック「やくならマグカップも(通称・やくも)」がアニメ化され、4月にテレビ放送が始まる。街を元気にしようと制作された地元発の物語は、「陶都」に新たな魅力を加えようとしている。

 「こんなシーンに登場!」。虎渓用水広場や多治見橋付近には「やくも」の場面画像付きパネルがある。設置したのは、市や市観光協会、陶磁器業界などでつくる「『やくならマグカップも』活用推進協議会」で、ほかにロケ地マップを制作。声優がご当地を案内してくれる音声配信アプリも整備し、巡礼者受け入れの準備を進める。

 舞台の一つ、同市本町の本町オリベストリート。アンティーク雑貨店「イリゼ・アンティーク」は、主人公・豊川姫乃の父が営むカフェの外観のモデルとなった。オーナーの小林彩子さんは、「アニメで興味を持って多治見に来てくれた人たちに、別の魅力も見つけて帰ってもらう。それが『やくも』の役割なのでは」と語る。すぐ近くには、姫乃の友人・成瀬直子の家のモデルとなった元美容室「サロン・ド・マミー」がある。カフェや雑貨店などが入る複合施設へと改装中で、新たな観光スポットになりそうだ。

 「陶芸って、地味ですか」。女子高生たちが繰り広げる陶芸ライフが、「美濃焼」の魅力を発信する。

 陶芸体験ができる同市住吉町の虎渓(こけい)窯。ろくろ台が並ぶ室内は、陶芸部の部室のモデル。管理する陶芸家の若尾圭介さんは「今まで土に触れたことがないような人たちに陶芸の世界を少しでも知ってもらえたら」。活用推進協議会事務局の中筬里美さんは「市外で新たな多治見ファンをつくるだけでなく、地元の若い世代に改めてこの街の良さに気付いてもらう機会になれば」と期待する。

 同市陶元町の多治見工業高校には、姫乃たちと同じく陶芸部で創作に励む女子生徒がいる。ろくろを回しながら「自分のイメージが粘土から形になっていくことが楽しい」と話す2年生は、陶芸部で活動したくてこの学校に進学した。同じく2年の女子生徒は、「ちゃんと自分が想像した形になっているか、窯から出す瞬間が一番どきどきする」と目を輝かせる。いずれも「やくも」について「絵がかわいい。陶芸の描き方も具体的で、詳しくない人でも楽しめるのでは」と好感触。今は女子部員が2人だけなので「仲間を募集しています」。

【作品紹介】

 転校生の豊川姫乃が、仲間とともに陶芸の世界に引き込まれていく青春ストーリー。多治見市の活性化を目的に制作され、市内のIT企業「プラネット」がフリーペーパーで発行している。

 アニメは「日本アニメーション」が制作し、CBCテレビで放送予定。30分番組で、前半15分がアニメ、後半15分は声優たちが市内を巡る「実写パート」の2部構成。

カテゴリ: おでかけ エンタメ 動画