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神が宿る山で歴史体感 伊吹山麓(揖斐川町・関ケ原町・滋賀県米原市) 



  • 上平寺地区から見る伊吹山。戦国時代に京極氏が山城や居館を築いた。上平寺越えの先は揖斐郡揖斐川町春日地区だ=米原市 
  • 薬草を使った料理が楽しめる「かすがモリモリ村リフレッシュ館」のレストラン=揖斐川町春日六合 
  • 伊吹山ドライブウェイ入り口にある「伊吹山寺」の石碑=不破郡関ケ原町 

◆山岳寺院跡や城跡が点在

 岐阜と滋賀県境にそびえる伊吹山(1377メートル)は伊吹山地の最高峰で日本百名山の一つ。岐阜県側からも滋賀県側からも美しい立ち姿が望める。古来から神が宿る山として知られ、古事記や日本書紀に登場し、日本武尊(やまとたけるのみこと)の伝説も残る。薬用植物が多く自生することから、織田信長が薬草園を開いたとも。山麓には古代遺跡や中世に築かれた山城跡など歴史を感じさせるスポットが点在する。東麓の揖斐郡揖斐川町春日地区から、南東麓の不破郡関ケ原町、南西麓の滋賀県旧伊吹町(現米原市)へと伊吹山麓を半周してみた。

 山頂は米原市にあり、有料観光道路「伊吹山ドライブウェイ」(冬期閉鎖中)の入り口は関ケ原町にある。山岳信仰の霊場として開山され、山中に山岳寺院が数多く存在していた。ドライブウェイ入り口前には「伊吹山寺」の大きな石碑が立ち、滋賀県側の中腹には弥高寺(やたかじ)や上平寺(じょうへいじ)などの山岳寺院跡が残る。

 登山では、南西麓に位置する米原市上野の三之宮神社が「正面登山口」とされ、山頂までの道が整備されている。一方、"君が代発祥の地"といわれる春日川合の「さざれ石公園」には東山麓からの登山道があるが、山頂までは行けない。

 春日の反対側に位置する米原市上平寺地区。戦国時代には、北近江に勢力を持っていた京極氏が中腹に上平寺城を築き、山麓に居館と城下町を造った。城跡や館跡は、隣の尾根で城郭の役割を果たした弥高寺跡とともに国の史跡になっている。

 上平寺地区で出会った女性(79)は、「昔は春日の人が炭や茶を背負って"上平寺越え"をして、米原で米に換えて帰ったと聞いている」と話してくれた。近くに住む男性は「伊吹山は岐阜側と滋賀側では山容が全く違って見え、滋賀の人はこちらが"表"だと思っている」と笑う。

 「伊吹もぐさ」の名産地として栄えた米原市の「柏原宿」は、関ケ原町に隣接する中山道60番目の宿場町。伊吹山が見え隠れする街道沿いには、江戸時代の趣を残す艾(もぐさ)屋や造り酒屋が軒を連ね、歴史を感じさせる。また、両県の山麓にある薬草料理の店や薬草風呂の入浴施設で"伊吹山の恵み"を体感するのもお勧めだ。

【案内】揖斐川町春日地区 交通=岐阜市からは、車で国道303号より同417号を経て、県道32号で約50分。柏原宿 交通=車で関ケ原町の国道21号から約10分。徒歩でJR柏原駅下車すぐ。

カテゴリ: おでかけ