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マルチタスク、状況認識能力鍛える「eスポーツ部」全国初出場4強・県岐阜商高



  • パソコンの画面に向き合ってゲームを練習する生徒たち=岐阜市則武新屋敷、県岐阜商業高校 
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 県岐阜商業高校(岐阜市則武新屋敷)で1年半前に創部した、コンピューターゲームの腕を競う「eスポーツ部」が、全国大会上位を目指して奮闘している。昨年の全国大会では初出場ながらベスト4に進出。2年川合駿介さん(17)は「競技のゲームは趣味のゲームと違って好き放題にできない代わりに、仲間と協力することの大切さを学べ、精神面も鍛えられる」と話す。

eスポーツはゲームの対戦をスポーツと捉え、格闘や射撃、サッカーといった幅広いジャンルがある。同校は2019年10月、「新しい分野を導入し教育に生かそう」と部活動を発足。現在は1、2年の男女11人が所属し、5人一組で陣地を取り合う戦略ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」を練習している。

◆仲間と協力、精神面も磨く

 「もっと行け」「あぁ、だめだ」。今月10日、部活動中の生徒たちはパソコン画面に向かってゲームに集中し、マウスとキーボードを巧みに操って技術やチームワーク、コミュニケーション能力を磨いていた。顧問の坂英明さん(39)は「複数の作業を同時に行うマルチタスクの力や周りを見る状況認識能力がないと上手になれない」と語る。

 「元々ゲームが好きで楽しそうだと思って入部したが、このゲームは頭を使うのですごく難しい」と2年木村日菜美さん(17)。他の生徒も「わずかなミスの積み重ねが大きなミスにつながる。負けた時は反省会もする」と明かす。

 昨年は全国高校対抗大会「STAGE:0(ステージゼロ)」のリーグ・オブ・レジェンド部門に初めて出場。8月の中部ブロック大会で優勝し、9月の全国大会ではベスト4まで勝ち上がった。コロナ禍のため、生徒たちは昨年も今も学校に集まって練習する機会は少ない。自宅のパソコンを使って、仲間の部員や指導者の元プロゲーマーをオンラインでつなぎ、週6回練習している。

 県内の高校では、eスポーツ部の創設が相次いでいる。19年は同校とさくら国際高岐阜東濃キャンパス(恵那市)、昨年は中京高(瑞浪市)と岐阜未来教育学園(関市)で創部した。多治見工業高(多治見市)と可児工業高(可児市)は昨年から、電気部など技術系の部活動の中で取り組みを始めている。

 eスポーツマネジメントの「KADOKAWA Game Linkage」(東京)によると、eスポーツの19年の国内市場規模は61億円。同社は23年には2・5倍に拡大すると見込む。世界では22年アジア大会から正式種目となることが決まっている。

◆記者のひと言

 「ゲームばかりしないで勉強しなさい」。子どもの頃、親にそう叱られたことを覚えている。「ゲームへの偏見は感じるか」という記者の質問に、主将の2年河口欣仁さん(17)はうなずいた。その上で「周りに納得してもらうには文武両道が必要。まず私が簿記などの資格を落とさず取って、実践して引っ張っていきたい」と語ってくれた。頑張ってほしい。

カテゴリ: エンタメ スポーツ 教育